海外のボーディングスクールに入るには?入学条件や入試はある?
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海外のボーディングスクールに入るには?入学条件や入試はある?

この記事では、イギリスを中心に海外のボーディングスクール(全寮制学校)に入学するために必要な準備や、入学試験・入学するタイミングについて書いています。イギリス以外にアメリカ・スイスの入試についても触れていますので、海外ボーディングスクール全般に興味ある人に必見の内容です。

そもそも海外のボーディングスクールにはどうすれば入れるのか?

交換留学・海外大学進学などの留学と比べると、海外のボーディングスクールへ入学するというのはニッチな、あまり広く知られていない留学方法です。さっそくその入学の詳細について、イギリスのボーディングスクールを参考に見ていきましょう。

年齢・学年別の入学タイミング

ボーディングスクールは、18歳(日本の高校3年次)までの生徒が通う寮制の学校です。そのため、小学校から高校までのプログラムがあり、入学のタイミングもそれぞれ異なります。

日本人が留学生として入学する際のタイミングとしては、11歳(日本の小学校5〜6年次/イギリスのYear 7)や13歳(日本の中学校1〜2年次/イギリスのYear9)、16歳(日本の高校1・2年次/イギリスのYear12)が人気です。もちろん、個人の語学力や目的・学校の種類によってベストなタイミングは違います。

11歳(日本の小学校5〜6年次/イギリスのYear7)

イギリスのYear7はちょうどSecondary School(中学校)が始まる年です。このタイミングで入学することのメリットは、Secondary Schoolの初めから入学することでよりスムーズにイギリスの義務教育課程と英語での学習に馴染むことができることです。

また、比較的入学の競争率が低いタイミングであるため、有名ボーディングスクールを狙うことも可能です。人によっては、このYear7以前のPrimary School(小学校)のタイミングから入学する方もいます。イギリスの低学年は少人数クラスであるためケアも手厚く、留学生としてはより馴染みやすい環境となっているからです。

ただし、やはり小学生を一人海外へ送り出すとなると難しい場合が多く、一般的な入学時期としては以下の13歳、16歳からの入学が一番多くなっています。

13歳(日本の中学校1〜2年次/イギリスのYear9)

Year9はSecondary School(中学校)の後半の学年で、ちょうど生徒の興味に合わせた科目を履修し、より専門的な内容を学ぶようになるタイミングです。ここから中学教育修了資格GCSEの最終試験へ向けて授業も本格的になっていきます。

海外留学生にとっては一番人気の入学時期で、上記Year7からの入学に比べると競争率が高いです。また、中高一貫校となるとクラスの規模も寮の規模も大きくなるため、英語に自信のないお子さんは学年を下げたり、事前に英語学習プログラムに参加してから入学したりする場合もあります。日本でいうところの中学入学前後となっているため、日本の教育システムと一番相性のいいタイミングとも言えます。

16歳(日本の高校1・2年次/イギリスのYear12)

Year12は、Secondary School(中学校)を終えてSixth-Form(高校)を開始するタイミングです。Sixth-Formは2年間だけのプログラムとなっているため、大学進学までに学費が抑えられるのが大きなメリットです。このタイミングでの入学は枠が限られており競争率が高く、またSecondary Schoolを無事修了しGCSEを取得した留学生とも競うことになるため、比較的入学が難しいタイミングと言えます。ただし、日本の中学(もしくは高校1〜2年)で高い成績を納め、十分な英語力としっかりとした留学の準備があれば、このタイミングでの入学も決して不可能ではありません。

イギリス式教育や日本の学年との比較についてより詳しくはこちら

留学生は私立のボーディングスクールが基本

ボーディングスクールには公立・私立がありますが、ほとんどのボーディングスクールは私立です。また、留学生が受験するのは私立であり、公立は基本的に現地生が通う学校という位置付けになっています。(また、公立のボーディングスクールでは学費は無料でも、寮費は私立と同じく自己負担であることが多いです。)

日本と同じように受験勉強が必要?

もちろん、海外ボーディングスクールへ入学するには語学面・勉強面での準備は欠かせません。ただし、日本の中学・高校入試のように筆記試験や科目試験を中心とした入試対策とは少し違います。

以下でイギリスを中心に、ボーディングスクールの入学条件と選考方法を見てみましょう。

ボーディングスクールの入学条件と選考方法

ボーディングスクールは私立校であることがほとんどのため、入学条件も各学校ごとに独自で設定されます。ただし基本的には「成績・語学力証明書」「インタビュー・志望動機書」「科目試験」の3つの要素によって選考が進められることが多いです。以下はイギリスのボーディングスクールの場合の詳細です。

成績・語学力

ボーディングスクールに限らず、海外の学校への入学に際してきわめて重要になるのが、それまで通ってきた学校での「成績」です。いわゆる書類審査ですが、それまで日本で通ってきた学校の成績を英語に翻訳して提出します。

求められる英語力については、ボーディングスクールによって様々ですが、小学校などの低学年への入学においても最低授業が理解できる程度の英語力は必要です。また、高学年であるSixth-Form(高校)入学のためにはIELTSのスコアの提示が条件となっていたり(通常求められるスコアは5.5〜7.0)、特にリスニングとスピーキングについてはある一定の高いスコアが求められます。

また、下記で紹介している科目試験の「英語」「数学」「サイエンス」においても設問は全て英語となっているため、科目ごとの知識を英語でも理解、あるいは推測できる力が必要です。

インタビューと志望動機書

インタビュー(面接)は日本の一般の学校ではあまり馴染みのない選考方法かもしれませんが、ほとんどのボーディングスクールが設けている選考過程です。また、生徒本人との面接はもちろん、保護者との面接もすることがあります。

生徒の面接では事前に提出された志望動機書をもとにもう一度志望理由を聞かれたり、本人の雰囲気や活動姿勢がその学校の方針とマッチするかなどを見られます。

保護者との面接では、その学校の理念や教育などに対する理解と協力態度が確認されます。学費が高いことや全寮制であることなどもあり、入学後の生徒の教育と生活において、学校と保護者との相互理解が欠かせないからです。

志望動機書では、英語エッセイ(小論文)の型で書くと印象が良いでしょう。英語によるエッセイでは「結論・理由・もう一度まとめとしての結論」の構造が重要視されます。

理想的なエッセイの流れの例

私はこの学校へ入学を希望する。理由は〇個ある。
1つ目は〜〜で、(具体例)。2つ目は〜〜で、(具体例)。3つ目は〜〜で、(具体例)。
これらの理由から私はこの学校へ入学をして〜〜を実現したく、ここに入学を希望する。

科目試験

多くの学校で生徒の選抜のために科目試験を実施している一方で、科目試験の結果をあくまでどんな学業的サポートが今後必要になるかを知るためだけに利用する学校もあります。ボーディングスクールの入試では、科目試験はあくまで選考の一つの要素であり、日本のように科目試験で全てが決定するほどの重きが置かれているわけではありません。

試験科目は学校によって多少違いますが、イギリスの学校の場合ほとんどが「英語」「算数(数学)」を必須科目とし、それに追加で「サイエンス(化学、生物、物理、理科)」などから1科目を選び合計3科目の試験とする学校が多いです。

また、小学校などの低学年への試験ではそこに知能テストが加わることもあります。知的テストは主に、Verbal reasoning(言語的な能力を試すテスト)やNon-verbal reasoning(図形や記号などを用いたテスト)で構成されています。

加えてその学校が採択している教育課程によって入試内容が変わる場合もあります。イギリスの場合、イギリス式教育課程であるGCSEやA-Levelに加えて、国際バカロレア課程を利用しているボーディングスクールもあり、それぞれに対策が必要です。

イギリス式教育課程について詳しくはこちら

国際バカロレア教育課程について詳しくはこちら

国別の入試・条件の違い

ここまでイギリスのボーディングスクールを見てきました。では、イギリス以外の国のボーディングスクール入試にはどんな違いがあるのでしょうか。アメリカ、スイスを見てみましょう。

アメリカのボーディングスクール入試内容

アメリカの入試では、科目試験はなく書類審査と面接のみで合否が決定されることが多いです。イギリスと比べると、より「成績」と「課外活動内容」が大切になります。そのため志望動機書・エッセイ・面接では、自分の「知的好奇心」「社会貢献への前向きな意欲」「将来的な計画(自分のポテンシャル)」「情熱を注ぐもの」「人間関係構築力」「自己表現力」などを前面的にアピールすることが大切です。

特に、ボーディングスクールは全寮制であり、生活面においても学校は責任を持たなければならないため、生徒の人間関係構築力や性格のマッチングなどはしっかりと面接でみられます。

また、それまでの日本の学校での成績は何よりも重視されており、英語力がどれほど高くても成績が低かったりすると全体的な印象が悪くなります。英語力は「TOEFLテストスコア」を利用して審査されることが多いです。

スイスのボーディングスクール入試内容

スイスの入試は上記イギリスの場合と比較的似ており、「成績・語学力証明書」「科目試験」「面接」の3つの要素で審査されます。科目試験は英語と数学が中心となっており、学校によってはその他の科目(フランス語、ドイツ語、サイエンスなど)が追加されることもあります。また、英語力証明書としてはIELTSやTOEFLのスコアが求められます。

スイスのボーディングスクールであることから、英語が授業の公用語として使われていてもその他にフランス語やドイツ語の授業があったり、フランス語を日常で利用する生徒がいたりなど、よりヨーロッパ的な要素が強いというのも特徴の一つです。

また、教育課程としては国際バカロレア教育課程を採択している学校も多く、それに合わせた入学条件を求められることもあります。

合格するための準備と対策

ボーディングスクールに入学するには、その国・その学校・その教育課程にあった入試対策と、その学校の特色・生徒に求める理想像などの事前調査が必要です。

ただし、あくまでも生徒とマッチした学校を選ぶことが大切です。ボーディングスクールは全寮制という特質上、通学タイプの学校よりも長い時間を学校で過ごすことになるため、長期的にストレスなく過ごすには学校と生徒との相性が何よりも重要だからです。

学校の詳細や入試情報、生徒とのマッチング度合いなど、個人だけで事前調査することが難しい場合は、海外ボーディングスクール向けの出願サポートやコンサルティングなどのサービスに頼るのも一つの選択肢でしょう。イギリスボーディングスクールへの留学に強い「新しい時代の留学」では、イギリスボーディングスクールはもちろん、他国ボーディングスクールに関してもサポート可能です。また、留学に際して必要なビザ申請のサポートもしています。

親が準備すべきこと・子どもに必要なこと

ここまで海外ボーディングスクールの入学試験や国による違いなどをみてきました。成績が重視されていたり、親も面接に呼ばれるなど、日本の入試とは一味違った選考方法となっていました。

  • 海外ボーディングスクール入学準備まとめ

  • 親がすべきこと:子供にあった学校の事前リサーチ(教育課程・掲げる価値観・学費・将来のプラン・入学に必要な成績スコアや英語力、試験科目)

  • 子供に必要なこと:日本の学校での成績をできるだけ高く保つこと、授業についていけるレベルの英語能力を得ること、寮でも自立して生活できるようになるための心の準備、英語でのエッセイライティングの型に慣れること、等

海外ボーディングスクールをご検討の方はご相談を

どの国のどんな教育課程のスクールを選ぶのか、学校の求める理想的な生徒像との相性はどうなのか、お子さんにとって(ご両親にとって)ベストなのか、一緒に考えていきましょう。また、海外ボーディングスクールに限らず、日本国内での海外インターナショナルボーディング校と提携もしていますので、ご質問にも広くお答えすることができます。

「新しい時代の留学」では、一人一人にとってベストな留学を見つけるお手伝いをしています。

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新しい時代の留学
編集部

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