日本国内のボーディングスクールとは?海外へ行かずに全寮制教育

日本国内のボーディングスクールとは?海外へ行かずに全寮制教育

この記事では、国内にある国際系ボーディングスクールについて紹介しています。海外現地のボーディングスクールとの違いや、日本国内の代表的なボーディングスクールの紹介もしています。

なぜ今、国内のボーディングスクールが注目されているのか

国内インターナショナルスクールの英語教育が有名になってきた今、その中でも特に国内ボーディングスクールが注目を浴びています。その特徴と、海外ボーディングとの違いについて見ていきましょう。

寮で生活をする

ボーディングスクールは寄宿舎がある学校で、生徒全員が寮で生活する全寮制学校と通学生も含む半寮生学校があります。その発祥はイギリスのエリート養成校(パブリックスクール)で、今でもイギリスやアメリカ、スイスなどの有名私立スクールはボーディングスクールとなっていることが多いです。

日本国内のボーディングスクールへ入学する場合、日本に住みながらも学校と寮の両方で英語を利用することになるため、とても密度が高い英語環境の中で生活をすることができます。

海外現地のボーディングスクールとの違い

日本国内のボーディングスクールと海外現地のボーディングスクールとの違いは、いくつかあります。代表的なものは以下の3つです。

①日本円で支払いすることができる

日本円で学費を払うことができるため、為替の変動や円安などの影響を最小限に抑えることができます。

②日本国内の家族や友人と会いやすい

日本国内に滞在するため家族や友人との時差もなく、より簡単に会いに行くことができます。

③日本語を忘れないようにバランスをとりやすい

ボーディングスクールは通常小学校から高校までの生徒を受け入れていますが、海外ボーディングスクールの場合幼い頃から英語に慣れることができるメリットの反面、日本語を忘れてしまうというおそれもその分高くなります。

日本国内のボーディングスクールの場合は、日本で生活をする分、日本の慣習や日本語と近い距離を保ちつつ英語を習得することができるでしょう。

日本にあるボーディングスクール一覧

ここでは、日本国内にあるボーディングスクール(インターナショナルスクール)を3つ紹介します。

ハロウ安比校(岩手県安比)

ハロウ校は、英国の名門パブリックスクール「The Nine」のうちの一つで、ロンドン郊外にある全寮制の男子校です。

2022年9月に、そのハロウ校が岩手県の安比に「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」として開校しました。小学校6年生から高校3年生までの学生が対象で、スキーリゾートやゴルフ場、18面のテニスコートなどの施設を利用することができ、安比の広大な自然をいかした環境で学び成長することができます。イギリス現地のハロウ校は男子校ですが、ハロウ安比校は共学となっています。ハロウインターナショナル校はアジアに数箇所ありますが、ハロウ安比校はアジア唯一の全寮制ハロウインターナショナル校となっています。イギリスの学校であるため、イギリス教育修了資格であるIGCSEやA levelを取得することができます。

ラグビー日本校(千葉県柏の葉)

ラグビー校も英国の名門パブリックスクール「The Nine」のうちの一つです。ロンドンから電車で一時間ほどの場所、イングランド中部にある半寮制の共学校です。

ラグビー日本校であるラグビー・スクール・ジャパンは、2023年9月に千葉県柏市・柏の葉に開校しました。タイに続いて世界で2校目の海外ラグビー校です。小学校6年生から高校3年生までの学生が対象で、ラグビー現地校と同じように通学と寮滞在どちらも選ぶことができます。柏の葉という、千葉大学や東京大学のキャンパスも位置しているアカデミックな都市で学ぶことができ、都心へのアクセスが良いのも魅力の一つです。イギリスの学校であるため、イギリス教育修了資格であるIGCSEやA levelを取得することができます。

UWC ISAK Japan (長野県軽井沢)

ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンは、日本で初めての全寮制インターナショナルスクールです。2014年に軽井沢で開校されました。高等学校のため、高校1〜3年生のみが対象です。

国際バカロレア(IB)プログラムの認定高校でありながら日本の文部科学省認定の一条校でもあるため、国際的な高校卒業資格であるバカロレア資格と日本の高校卒業資格を同時に得ることができる非常にユニークな学校となっています。

国際バカロレアについて詳しくはこちら

IGCSEやA levelなどのイギリス式教育課程について詳しくはこちら

国内ボーディングスクール学費と入学条件

国内のボーディングスクール(インターナショナルスクール)の学費・入学条件は以下です。

学費の相場

上記で紹介した「ハロウ安比校」や「ラグビー日本校」などの海外系ボーディングスクールの学費は、年間約500〜900万円が相場です。寮費はそのうち約250〜300万円となっており、全体の学費に含まれて提示されることがほとんどです。

IB認定の一条校のインターナショナルボーディングスクールの学費は、年間約250〜500万円が相場です。日本の文部科学省の定めた学校制度にも沿ったスクールであることで、日本の学校として助成金などを利用できるため海外系ボーディングスクールに比べると学費が安くなっています。

入試について

入試は、どの国発祥のスクールへ入学するのか、また、採択カリキュラムによって変わってきます。ここでは、イギリス系ボーディングスクールと国際バカロレア認定スクールの入試について紹介します。

イギリス系のボーディングスクールに入学する場合

Year10(14〜15歳、日本でいう中学3年)を区切りとして入試内容が変わります。Year10から本格的なGCSE試験への準備が始まり、その前に科目選択を行う必要があるためです。

Year10以前に入学する場合は、主に「英語力証明」「それまでの学業成績」「生徒・家族面接」などに加え、入学学年によっては「科目試験」や「基礎学力試験」の受験を求められる場合もあります。Year10以降に入学する場合は、すでにGCSE試験に向けて進んでいる授業へスムーズに合流できるだけの学力が必要となるため、それまでに学んできたGCSEの科目一覧や成績、そしてより高い英語力が求められます。

国際バカロレア認定の一条校ボーディングスクールの場合

日本の文部科学省の定めた義務教育課程の内容と共に、国際バカロレアカリキュラム対応の試験を受ける必要があります。入試内容は国際バカロレアプログラムへ入学するタイミングによって異なりますが、一般的に「英語力証明」「それまでの学業成績」「生徒・家族面接」は必要となっており、それに加えて「数学」「小論文」などの受験が求められることも多くなっています。試験は全て英語で行う学校が多いですが、中には一部日本語での受験も認める学校もあります。

海外系ボーディングスクールに限らず、一条校インターナショナルボーディングスクールの場合であっても、生徒面接と家族面接の両方を行っている学校がほとんどです。寮生活や学費、学校カリキュラム自体への家族からの理解が生徒自身の理解と同じくらい大切だとされているからです。

どんな子どもが国内ボーディングスクールに向いている?

国内ボーディングスクールに向いている子どもの特徴は、以下です。

  • 国内ボーディングスクールに向いている子ども

  • 知的好奇心がある:好奇心が高いと、知ること学ぶことへ前向きな姿勢を持つことになるため、全寮制での生活や、密な英語環境にも比較的スムーズに適応できるでしょう

  • 自己管理能力がある:寮生活において、自分で生活リズムや勉強時間を整えることができることが望ましいです

  • 多様な価値観を受け入れることができる:様々な国籍や文化的背景を持った生徒と共に学び生活をすることになるため、ストレスなく生活するには柔軟性が求められます

  • 人との繋がりを楽しめる:寮生活では、学生どうしで助け合って生活します。繋がりを楽しめる前向きな姿勢があることが好ましいです。

  • 自分で判断して決めてゆく力がある:どのように時間を使うのかや、誰とどのように過ごすのか、いつ勉強するのかなど、自分で決めて実行する力が大事になります。

  • 日本の家族や友人とも定期的に出会いたい子ども:日本のボーディングスクールの利点はやはり、日本国内で海外の教育を受けられることにあります。

授業時間だけではなく、学校が終わった後の生活の時間も、自分で判断して時間を管理していく必要があるため、勉強時間や運動時間、一人時間、寮生と過ごす時間などを自分でカスタマイズしていくことになります。

自立して自己管理をしながら、自分の好奇心を見つけてそれを深めてゆける、そんな子どもがボーディングスクールに向いていると言えます。

まとめ:国内ボーディングスクールで得られる価値とは

ここまで国内ボーディングスクールの特徴、学費、入学に向いている子供や家族について見てきました。では、日本国内のボーディングスクールで得られる価値とはなんでしょう。以下まとめです。

  • 日本国内のボーディングスクールで得られる価値

  • 日本にいながら英語環境で学ぶことができる

  • 英語と日本語両方の言語と良いバランスを保って接することができる

  • 多国籍な学生と共に寮で生活をする中で、国際的な視野を得ることができる

  • 幼い頃から寮生活をすることで精神的に自立できる

  • 幼い頃から欧米の教育課程で学ぶことで、人前で議論したり自分の意見を表明したりすることに早い段階から慣れることができる

  • アジア圏を中心に、優秀な子供たちと友達になることができる

  • 国際的な中等教育修了の資格を取ることができる

日本国内ボーディングスクールをご検討の方はご相談を

どんな教育課程のどの国のボーディングスクールを選ぶのか、学校の求める理想的な生徒像との相性はどうなのか、お子さんにとって(ご両親にとって)何がベストなのか、一緒に考えていきましょう。また、日本国内ボーディングスクールに限らず、海外現地のボーディングスクールについても、広くご質問にお答えすることができるかと思います。

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編集部

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