海外への教育移住とは?おすすめの国とそのメリットについて
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海外への教育移住とは?おすすめの国とそのメリットについて

近年、子供の教育のために海外へ移住する家族や、幼いうちから子供を海外へ送る事例が増えてきています。この記事では、教育移住にはどんな選択肢があるのかを紹介しています。

教育移住とは

教育移住とは、子供の教育により良い環境を求めて移住をすることです。特に近年、コロナ禍を経てリモートワークが広く普及したことで、子供の教育に合わせて移動・移住する家族が増えてきました。

国内移住だと、東京から自然豊かな地方地域へ移住したり、逆に地方からより競争率の高い教育環境を求めて都内へ移住するなど、様々な選択肢があります。

そして、国内移住にとどまらず日本からでて海外教育移住する家族も増えてきました。この記事では、海外への教育移住について紹介しています。

海外教育移住の例

海外教育移住には様々なケースがあります。

まず、海外移住をする期間について。数ヶ月間だけ海外に滞在して、その間に語学学校や現地校へ子供を通学させる家族や、一年以上の滞在をする家族、そして半永久的に滞在可能なだけ滞在を目指す家族などがあります。

次に、移住する間の家族の形について。家族みんなで海外移住するケース以外に、親の片方は日本へ残る、両親どちらも日本へ残ってしばらく子供だけを海外へ送り出し後で合流をする、家族みんなで同じ国へ移住するが滞在する街が違うなど、家族の数だけ様々な選択肢があります。

最後に、所属する学校の種類について。これは上記の条件とも関わってきますが、一般的な選択肢として、①現地校 ②現地インターナショナルスクール ③日本人学校があります。また、数ヶ月だけの滞在をする場合は語学学校なども選択肢として入れることもできます。特に②の現地インターナショナルスクールに関しては、日本国内のインターナショナルスクールに比べて費用が安い国もあることから、近年注目が集まっています。

海外に若くして行くメリット

海外へ教育移住した子供が得るメリットはたくさんあります。中でも、若いうちから海外で学ぶこと・住むということには大きな利点があります。

①若い時の柔軟な心と体を活かすことができる

日本の当たり前が海外では当たり前ではない、という話はよく言われることですが、海外では日本で考えもしなかった状況や考えに出会うことが多いです。若い時の柔軟な心と体は、それら日本との違いによりうまく適応し受け入れることができることが多く、海外へ挑戦する良いタイミングといえます。

②視野の広がりを将来の選択へ活かすことができる

人生においてどのタイミングでも人は成長し学びを得ることができますが、若い時に得たものは、それを将来に使えるタイミングがより多くなります。

③語学力の向上

一般的に、語学は若ければ若いほど学習スピードがはやいと言われています。また、教育移住では小学校や中学校などの低学年から外国語で学ぶことになるため、英語を教科として学ぶのではなく英語で学ぶ、英語をツールとして利用することに早いうちから慣れることができます。

④異文化理解力の向上

海外では、同じ国に住んでいる同じ国籍の人々でも様々な人種や民族の人がおり、人々のバックグラウンドも日本に比べより多様です。若いうちから学校や街でそのような人々と接して生活することで、多様な考え方、多様な文化の存在を学ぶことができます。

小学校からの教育移住が増加?

海外へ教育移住する例で最近増えているのが、子供がまだ幼い頃、小学生や中学生のタイミングで海外移住する例です。その理由としては、上記にあげたメリットを最大限得ることができるからでしょう。小学生という、早い時期から英語に触れて英語で学ぶことで、生活に必要な英語を身につけることができます。また、まだ専門も興味も狭まっていないこの早い時期に外国の教育課程で幅広く学ぶことで、世界的な視点での自分の個性やアイデンティティを見つけたり、意思をしっかり発言する力を磨けるのも一つの魅力として挙げられます。

海外教育移住のデメリット

海外へ教育移住するメリットは沢山ありますが、考慮すべき点ももちろんあります。

まず一つ目は、日本の義務教育を受けられないということです。海外の教育を求めて海外へ移住するとは、つまり日本の一般的な教育・日本人のほとんどが共有している知識形態を手放すということを意味します。日本の教育の見直すべき点を避けられるのと同時に、日本の教育の良さも手放すことになります。

次に、日本人としての振る舞いや日本人としての価値観を手放すことになるかもしれないということです。これは一つ目のデメリットにも関係することですが、日本人としての価値観や振る舞いは日々の生活の中で形作られる部分も大きいため、海外で教育をうけ海外で幼少期を過ごすと日本で生活する日本人とは多少違った価値観や振る舞いを身につけることになるでしょう。

ただし、これらのデメリットはメリットと表裏一体であり、メリットでもあります。お子さんが将来どこでどのように生きることを目指すのか、それによって変わってきます。そのため、目指す将来に合わせてバランスよく海外移住のタイミング(子供の年齢)、期間、国などを決めることが大切です。

教育移住におすすめの国

それでは、海外教育移住におすすめの国を見ていきましょう。治安や費用、教育水準、時差などそれぞれの特徴をざっと見ていきます。

マレーシア

マレーシアは、海外教育移住先として有名な国の一つです。特筆すべき点としては、アジアトップクラスの英語力を持つ国であること、学費・生活費が他国に比べて安いこと、低コストのアジア諸国の中では治安が良いことがあげられます。

マレーシアへ家族で教育移住する場合、様々なビザ取得の方法が考えられます。子供の学生ビザに付帯する形で保護者一人が同行する方法や、親が就労ビザをとってそれに子供が付帯する方法、そしてデジタルノマドビザを利用する方法などがあります。親の仕事内容や滞在期間、子供の通学期間などによって申請可能なビザが異なります。

マレーシア教育移住の特徴は以下です。

  • マレーシアの特徴|教育移住

  • 公用語はマレー語だが、多くのマレー人は英語を流暢に話す

  • マレー系、中華系、インド系など、様々な文化、宗教、言語、習慣が混在する多民族国家。生活の中で異文化理解力を高めることが期待できる

  • マレーシアの学校教育課程はイギリス式カリキュラムIGCSEを採用していることが多く、他にもアメリカ式や国際バカロレア式を採用している学校もある

  • 英語で学べる他の国に比べ、学費・生活費共に安い

  • 日本との時差はたったの1時間。日本の家族との連絡もしやすく、そして日本からの飛行時間も約7時間と日本と行き来しやすい

  • 同じく低コストであるフィリピンなどのアジアに比べると、治安が比較的良い傾向にある

イギリス式教育についてより深く知りたい方はこちら

マルタ島

マルタ島も、マレーシアと並んで海外教育移住先として有名です。マルタ島は、地中海の島です。ヨーロッパとアフリカの間に位置しており、バカンス地としても有名です。地中海の中で唯一の英語圏ということもあり、世界各国から英語を学びに学生が集まっています。特徴としては治安がいいこと、世界中から人が集まってくるため国際的で、またそのため教育課程も多様であることがあげられます。

マルタ島の学校へ子供が通う場合、その子供一人の学生ビザにつき、保護者1人のガーディアンビザ(保護者ビザ)を取ることができます。学生ビザは5歳から取得可能なので、例えば5歳以上の子供が2人いる場合は、それぞれの学生ビザに付帯する形で両親共に滞在することができます。

マルタ島教育移住の特徴は以下です。

  • マルタ島の特徴|教育移住

  • 地中海唯一の英語圏。公用語はマルタ語と英語で、英語の語学学校も多数存在ある

  • 地中海の青い海と、ヨーロッパ的な歴史的な建物両方を楽しむことができる

  • ヨーロッパとアフリカの間にある島ということもあり、教育課程として多様な選択肢がある。イギリス式、アメリカ式、国際バカロレア式などの有名なカリキュラムはもちろん、その他ヨーロッパの国のカリキュラムも

  • 住居や外食費が日本よりも高い。学費は他の英語圏に比べると安い反面、アジア圏に比べると高くなる

  • 日本との時差は8時間(サマータイムでは7時間差)

  • ヨーロッパのバカンス地であり、他のヨーロッパ諸国に比べると治安が良い傾向にある。また、医療水準も高く、安心して滞在することができる

国際バカロレア式教育についてより深く知りたい方はこちら

シンガポール

マレーシアの隣にあるシンガポールも、世界的に有名な移住先となっています。教育移住としてだけでなく、リタイア後のバカンス地や大学の留学先としても人気の国となっています。特徴としては、治安が日本のように良いこと物価が日本よりも高いこと教育水準がとても高いことです。

家族でシンガポールへ教育移住する場合は、親がシンガポールで仕事を見つける、もしくは法人を設立して滞在ビザを得て、それに付帯する形で子供が移住するのが一番現実的な方法となっています。外資企業を積極的に受け入れているビジネス都市シンガポールならではの特徴となっています。

シンガポール教育移住の特徴は以下です。

  • シンガポールの特徴|教育移住

  • 公用語は英語・中国語・マレー語・タミール語の4つで、ほとんどの人が英語を流暢に話す

  • 住民の約40%が外国人の国際都市(国)。多民族であるシンガポール人に加えて、外国人や外資企業の参入により、より多様な人種・国籍・言語・慣習が存在する

  • 現地校に加えて日本人学校からインターナショナルスクールまで、外国人向けの学校の選択肢も多く、外国人にとってとても開かれた環境

  • 高い教育水準を持つ国。シンガポール現地の一般的な教育水準が高いのに加えて、イギリス式カリキュラムIGCSEから国際バカロレア式などの世界の有名カリキュラムも広く普及している

  • 欧米英語圏と同様に、学費・生活費共に高くなっている

  • 日本との時差はたったの1時間。日本の家族との連絡もしやすく、そして日本からの飛行時間も約7時間半と日本と行き来しやすい

  • 治安が日本レベルでとても良い国で、医療水準も高いため安心してすごすことができる

ハワイ(アメリカ)

観光地として有名なハワイですが、実は移住先としても有名です。ハワイへの教育移住の特徴としては、アメリカ合衆国なのでアメリカ式教育を受けられること他州に比べて治安が良いこと日本よりも物価が高いことがあげられます。

家族でハワイへ教育移住をする場合、アメリカ合衆国の厳しい審査をへてビザを取得する必要があります。一般的に、学生ビザ(F1)とその付帯の家族ビザ(F2)で滞在を目指す場合が多いです。親または中学生以上の子供がF1ビザを申請できます。ただし、アメリカのビザ審査は年々厳しくなっている傾向があり、注意が必要です。学生ビザの他にも就労ビザや、駐在ビザ、投資家ビザなどもあります。

ハワイ教育移住の特徴は以下です。

  • ハワイの特徴|教育移住

  • 公用語は英語とハワイ語の2つ。アメリカ合衆国なので通常会話は英語で行われている

  • 世界でも有名なリゾート地で、観光客以外の現地住民も多様なバックグラウンドを持ってハワイに滞在している人が多く、多文化社会となっている

  • ハワイはアメリカ合衆国であるため、学校の教育課程もアメリカ式カリキュラム(K-12制度)をとっていることがほとんど

  • 欧米英語圏と同様に、学費が高い傾向にある。また観光地であるため、外食費や生活費は他州に比べても高く、年々高騰している

  • 日本との時差は19時間で、日本の家族との連絡は他国に比べると難しくなる可能性がある。対して日本からの飛行時間は約7〜9時間と、比較的短い

  • 全米で最も治安が良い州の一つ。一年を通して気候もよく、観光地として安心して長期滞在が可能。医療水準も高いため、安心してすごすことができる

アメリカ式教育(K-12制度)についてより深く知りたい方はこちら

イギリス

留学先としても人気のあるイギリス。その高い教育水準世界的に権威のある教育プログラムから、教育移住先としても人気のある国です。またイギリスでの教育修了資格は、将来子供が世界の有名大学を目指す場合にも有効に利用することができます。

家族でイギリスへ教育移住をする場合、基本的に学生ビザ(student visa)での滞在となります。18歳未満の子供であれば家族として、学生ビザに付帯で(dependant visa)イギリスに滞在することができます。

イギリス教育移住の特徴は以下です。

  • イギリスの特徴|教育移住

  • 英語発祥の国

  • 世界的に有名な大学が数多く、アメリカと並んで教育の権威的存在の国

  • イギリス式カリキュラムIGCSEはもちろん、国際バカロレア式を取り入れている学校も多く、私立ボーディングスクールなどは世界的にも有名な中学・高校も多い。全体期に教育水準が高い

  • 他の英語圏と同様に、学費が高い傾向にある

  • 日本との時差は9時間。(サマータイムでは8時間差)

  • アメリカに比べると治安が良い傾向にある。医療水準も高いため安心してすごすことができる。

イギリス式教育についてより深く知りたい方はこちら

教育移住に必要な準備

国によって、そして子供の年齢や親の仕事などによって必要な準備は異なります。ここでは一般的に全ての国で必要なこと・必要なものをリストアップしました。

  • 海外教育移住に必要なこと

  • 現地教育制度の事前調査

  • 現地での生活に必要な大まかな費用の算出

  • 現地医療や保険について事前調査

  • 家族・親戚との話し合い

  • 通う現地校の決定・入学手続き

  • ビザの手続き

  • 住居決定

  • 言語や現地文化の事前学習

  • 現地に住む知り合いやネットワークを事前に作ることができたら、なお良い

  • 海外教育移住に必要なもの

  • 必要費用の準備(学費・生活費・ビザ申請費・医療費・保険費など)

  • 現地で通う学校の入学許可

  • 長期滞在のためのビザ(学生ビザ・就労ビザ・家族付帯ビザなど)

  • 長期滞在のための保険(日本の海外保険・現地の国民医療保険など)

  • 現地の住居(アパート・一軒家・シェアハウス・学生寮・社員寮など)

  • 仕事(日本の会社とのリモートワーク・現地での仕事・フリーランス・駐在員など)(現地で仕事をする場合、就労ビザが必要です)

子供が通う学校、親の仕事、滞在する国や地域によって必要な手続きや費用が変わってくるため、海外教育移住を検討する場合は事前の調査が何よりも大切になってきます。事前にしっかりと準備をして必要な知識をつけ、計画的に素敵な海外滞在を形づくることが重要です。

国内の選択肢vs海外の選択肢

この記事では、海外教育移住で考えられる様々な選択肢について紹介しました。

  • 海外教育移住まとめ

  • 滞在期間・家族の形・現地で通う学校の種類など様々な要素が関わってくる

  • 子供が若いうちに海外で過ごすことはメリットが多い

  • 日本の価値観や日本の義務教育から離れることがデメリットとなる場合も

  • マレーシア・マルタ島・シンガポール・ハワイ・イギリスが有名な移住先

  • 必要費用の準備や現地情報の収集など、事前準備が何よりも大切

お子様の教育についてのご相談

どんな教育を目指すのか、どんな教育課程の国へいきたいのか、どんな将来の進路を考えているのか、ご自身とお子さんにとってのベストを一緒に考えていきましょう。また、海外のスクールに限らず、国外のインターナショナルスクールにご興味がある場合も「新しい時代の留学」へご相談ください。

「新しい時代の留学」は一人一人にとってベストな留学を見つけるお手伝いをしています。

この記事を書いた人

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新しい時代の留学
編集部

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