日本と海外の教育制度の違いを知ろう
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日本と海外の教育制度の違いを知ろう

この記事では日本・アメリカ・イギリスの教育制度、特に「義務教育期間」「学年区分」「教育方針」について紹介しています。英語圏の留学先として常に人気であるアメリカ、イギリスの教育事情について、日本と比べながら見ていきましょう。

日本の教育制度をおさらい

まずは比較の基準となる日本の教育制度について見ていきます。

日本の学年

  • 日本の学年のおさらい

  • 小学校6年間

  • 中学校3年間

  • 高等学校3年間

国によって、学年の区切り方は違います。日本の場合「小学校6年間・中学校3年間・高等学校3年間」の学年の区切りとなっています。

日本の義務教育期間は6歳から15歳の9年間で、中学校までは無償で教育を受けることができます。高等学校に進む人が最も多く、2025年4月からは公立高等学校の授業料無償化に加え、私立高等学校の授業料への支援金支給制度も創設されました。

日本の教育の特徴

  • 日本の教育

  • クラス制

  • 生徒全員が同じレベルの知識を

  • 全教科をまんべんなく

日本の小学校から高等学校では、多くの場合、1年間同じ教室で同じクラスメイトと過ごすクラス制が利用されています。その教育の目指すところは、生徒全員が同じレベルの知識を得て、全教科をまんべんなくこなせるようにすることです。

試験では、求められる点数を得られるまで繰り返し受けることが推奨されており、諦めず取り組むことによって苦手科目も伸ばすことが目指されています。また、日本の学校では授業以外に、運動会や卒業式、文化祭などの学校行事も多く、クラスで一つのことに取り組み、集団行動について学ぶ機会がより多く設けられています。

そして、給食が支給されることや生徒自身が教室の掃除を行うことなどは世界的に見ても珍しく、日本の学校の特徴と言えるでしょう。

アメリカと日本の教育制度の比較

では日本の教育制度と比べて、アメリカではどのように教育制度が違うのでしょうか。

アメリカの義務教育期間

アメリカの義務教育期間は州によって多少違いますが、一般的に5歳から18歳までの13年間となっています。日本の幼稚園の年長にあたる歳から始まり(グレードK: Kindergarten)、日本の小学校から高校にあたるK1〜12へと続きます。日本と比べると義務教育開始年齢が一年はやく、高校までと長くなっています。義務教育期間であるため、高校も公立であれば学費も無料で、教科書も支給されます。

アメリカの学年

  • アメリカの学年

  • 学年区切りは州によって違う

  • 飛び級ができる

アメリカでは、各州が大きな権限を持っており、学年の振り分けも州によって多少異なります。小学・中学・高等学校を分ける方法は8–4年制、6–2-4年制、5–3–4年制など州によって様々です。ただし学年の呼び方は州が違ってもほとんどの場合同じで、小学校から高等学校までの12年間は1st Grade(K-1)〜12th Grade(K-12)というように呼ばれています。

また、アメリカでは大学入学における年齢制限がなく、優秀な生徒は飛び級を行うことが可能です。

以下は、日本の学年・年齢との比較表になります。(6-2-4年制の州の場合)

年齢

日本

アメリカ

5

年長(幼稚園)

Kindergarten(Elementary Schoolに併設されている)

6-7

小学校1年生(小学校↓)

1st Grade(Elementary School↓)

7-8

小学校2年生

2nd Grade

8-9

小学校3年生

3rd Grade

9-10

小学校4年生

4th Grade

10-11

小学校5年生

5th Grade

11-12

小学校6年生

6th Grade

12-13

中学1年生(中学校↓)

7th Grade(Middle School↓)

13-14

中学2年生

8th Grade

14-15

中学3年生

9th Grade(High School↓)

15-16

高校1年生(高校↓)

10th Grade

16-17

高校2年生

11th Grade

17-18

高校3年生

12th Grade

*各学年の呼び方として、略称でKindergardenをK、1st Grade〜12th GradeをK-1〜K-12とも呼びます。

アメリカの教育の特徴

  • アメリカの教育

  • 得意科目や強みを伸ばしていく

  • 移動教室制

  • 個人主義

驚くべきことに、アメリカでは教科書も州や学校区によって違います。学校によって教育レベルや教育方針にも大きな違いがあるため、住むエリアを学校のレベルで決める家庭も多いです。

このことからも分かるように、アメリカの義務教育期間では、日本のように「全員が同じレベルの知識を得て、全教科をまんべんなくこなせるようにする」ことはあまり着目されておらず、それぞれの人が目指す教育レベルや方針をそれぞれが選択する(もしくは住む場所によって決定される)制度となっています。

また、アメリカの小中高等学校は日本のクラス制とは違い、常に同じクラスメイトと同じ教室で勉強するのではなく、生徒がそれぞれ履修しているクラスの教室へ毎時間移動する形になっています。ホームルーム教室はあっても、各自それぞれ別のスケジュールで移動するその様子は、ちょうど日本の大学と似ています。クラス単位での教育目標のようなものもあまりなく、より個人主義的な、それぞれの得意科目や強みをそれぞれが伸ばしていく、という意識が強い傾向にあります。

公立高校は授業料が無料ですが、一般的に、有名大学への進学を希望する人は私立の高等学校もしくは有名な公立高校へ行くことが多いです。

イギリスと日本の教育制度の比較

では次に、日本と比べてイギリスの教育制度がどのように違うのか、見ていきましょう。(この記事でいうイギリスとは、イングランドのことを指しています。)

イギリスの義務教育期間

イギリスの義務教育期間は5歳から16歳までの11年間で、初等教育が6年間、日本における中学校が5年間となっており、同じ中学校までの義務教育の日本と比べると、義務教育開始年齢が一年はやく、かつ終了年齢が一年長くなっています。大体の人はこの義務教育期間の後に追加で2年間学校へ通います。この2年間がちょうど、日本でいうところの高等学校と同じ位置付けとなっており、その後大学へ進学することになります。

イギリスの学年

  • イギリスの学年

  • 小学校6年間

  • 中学校5年間

  • 高等学校2年間

中学校までは義務教育であるため、生徒はその間無償で学校へ通うことができ、そのためほとんどの人が自分の住む地域の公立学校へ通っています。英国国教会やカトリック教会への所属の有無によっては、クリスチャン系の公立学校へ通う場合もあります。公立学校の中でもグラマースクールと言われる学校は人気で、入学選抜試験があり、そこではより高度な教育が期待できます。

日本でよく耳にするボーディングスクールというのはほとんどがパブリックスクールと呼ばれる私立学校となっており(パブリックとは公立という意味ではありません)、1クラスの人数が少なくより手厚い教育体制を持っていることが多いです。また、ボーディングスクールは英国政府が定める厳しい条件(学校設備や教育水準、生活規律など)を満たす必要があり、その分、全イギリス・世界から優秀な生徒が集まり、かつ裕福なエリート層の子供が入学する傾向にあります。

以下は、日本の学年・年齢との比較表になります。

年齢

日本

イギリス

5-6

就学前(幼稚園・保育園)

Year 1(Primary School↓)

6-7

小学校1年生

Year 2

7-8

小学校2年生

Year 3

8-9

小学校3年生

Year 4

9-10

小学校4年生

Year 5

10-11

小学校5年生

Year 6

11-12

小学校6年生

Year 7(Secondary School↓)

12-13

中学1年生(中学校↓)

Year 8

13-14

中学2年生

Year 9

14-15

中学3年生

Year 10(カリキュラム: GCSE/IGCSE)

15-16

高校1年生(高校↓)

Year 11

16-17

高校2年生

Year 12(Sixth form↓)(カリキュラム: A-level/IB)

17-18

高校3年生

Year 13

イギリスの教育の特徴

  • イギリスの教育

  • 早い段階から進路に合わせて科目履修

  • 専門的に学ぶ

  • 低学年ではクラス制

  • 学年が上がると移動教室制

イギリスの義務教育は日本よりも一年早い5歳から開始されますが、それだけでなく、イギリスのカリキュラム(GCSE)では、より早い段階から、生徒が興味のある科目を選んで履修することができるようになっています。生徒たちはYear9(日本でいう中学2年生)になると英語、数学、理科などの必修科目に加え、美術や人文科学などの選択科目の中から、自分が目指す大学や将来就きたい職業を見据えて科目を選択します。

全教科をまんべんなくしっかり学ぶことを目指す日本のカリキュラムと比べると、イギリスの教育制度では、生徒の進路に合わせてマトを絞り、より専門的に学ぶことが目指されています。

また、低学年では日本のように同じクラスメイトと同じ教室で授業を受けることが多いですが、学年が上がり教科の専門性が増すにつれて、アメリカのように授業ごとに生徒がそれぞれの教室へ移動することが多くなっていきます。

それぞれの国で教育制度が異なる

日本、アメリカ、イギリス、それぞれの「義務教育年数」「学年区分」「教育の特徴」について、大まかに紹介してきました。

各国の義務教育年数まとめ

  • 義務教育年数

  • 日本:6歳から15歳の9年間、中学校まで

  • アメリカ:5歳から18歳までの13年間(州によって誤差あり)、高等学校まで

  • イギリス:5歳から16歳までの11年間、中学校まで

各国の学年区分まとめ

  • 学年区分

  • 日本:小学校6年間・中学校3年間・高等学校3年間

  • アメリカ:8–4年制、6–6年制、5–3–4年制など州によって様々

  • イギリス:小学校6年間・中学校5年間・高等学校2年間

各国の教育の特徴まとめ

  • 教育の特徴

  • 日本:クラス制・生徒全員を同じレベルに・全教科をまんべんなく

  • アメリカ:得意科目や強みを伸ばしていく・移動教室制・個人主義

  • イギリス:早い段階から進路を見据えて科目選択・より専門的・低学年ではクラス制、学年が上がると移動教室制

どの国の教育制度にも一長一短があるかと思いますが、それぞれの国が、それぞれの方法で子供たちの成長を見守っていることが分かりました。留学先での学びをスムーズに進めるためにも、その国の教育制度や教育方針は事前に確認しておきましょう。

この記事を書いた人

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編集部

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