#32 中学校で習う仮定法「もし〜だったらなぁ」|中学英語の文法
中学英語の文法は英語の基礎です。中学校で学ぶ文法、単語を使いこなせば、英語の日常会話は十分です。オンライン留学を受講中の方、これから留学に行く方、英語の勉強を今からする方へ。これから中学校で習った英語文法を一緒に復習していきましょう!今回は「仮定法」を学習していきます。
仮定法とは
「もし〜だったら、・・・なのになぁ」
仮定法とは、実際にはありえない願望や想像を仮定した表現です。日本語で「もし〜だったら、・・・なのになぁ」という文にあたります。例を見てみましょう。
①実現可能な例文
If it rains tomorrow, we won’t go to the park.
「もし明日雨が降れば、公園に行かないだろう。」
②実現不可能な文
If I were a fish, I could breathe in the water.
「もし私が魚なら、水の中で息できるのに。」
①の文は実際に明日雨が降ることは現実で起こりえることです。これは仮定法ではなく、直説法と言います。一方で、②は自分自身が魚になることは現実では絶対にありえません。現在について、現実とは違う仮定をする表現を仮定法過去と言います。
英語を学習している人だとI wereっておかしくない?と気付いたかもしれません。そちらについては下記で紹介しています。
今は中学校で仮定法を習う?
「仮定法って高校英語の範囲じゃないの?」となるかもしれません。
2021年の中学英語における新学習指導要領では、仮定法を習うことが新たに追加されています。この記事では、仮定法の基礎を学ぶことができます。
仮定法の文の作り方
以下の文を例に仮定法の作り方を学んでいきます。
If I were you, I would buy the clothes.
「もし私があなただったら、その服を買うのになぁ。」
If I had time, I could be available.
「もし時間があったら、会 うことができるのになぁ。」
*available 利用可能な、手が空く
if文中の動詞を過去形にする。
仮定法(現在の事実に反することやありえないことを仮定する文)では、動詞は過去形を使います。
If I am you
↓
If I were/was you
「もし私があなただったら」
I amの過去形は通常I wasですが、仮定法のときに限りI wereを使うことができます。
If I have time
↓
If I had time
「もし時間があったら」
一般動詞も同じく、過去形に変換しましょう。
would, couldを動詞の前に入れる
If文で、「もし〜だったら」という文をつくれたら、もうひとつの文には助動詞の過去形を使います。主に使われる助動詞はwillの過去形would。canの過去形couldです。助動詞の過去形には仮定の意味があることを覚えておきましょう。
I will buy the clothes.
↓
I would buy the clothes.
「その服を買うのになぁ。」
助動詞willを過去形にします。助動詞の後ろは常に原形でしたね。
I can be available.
↓
I could be available.
「会うことができるのになぁ。」
canを過去形にし、仮定の表現を表しています。be動詞の原形はbeでしたね。wouldは「〜するのになぁ」、couldは「〜できたのになぁ」と訳すイメージで使い分けましょう。
仮定法の文の作り方のまとめはこちらになります。この形をしっかり覚えましょう。
助動詞について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
通常のifを使った文と何が違うの?
「確定」か「仮定」の表現か
通常のif文も「もし」という文を表すことができます。違いは、仮定法は前述した「実際にはありえない願望や想像」を表すという点です。日本語で通常のif文は「もし〜なら、〜です。」という「AならB」という確定する表現です。
仮定法は「もし〜だったら、〜なのになぁ。」という「AだったらBなのになぁ」という仮定的な表現になります。
上の文で見比べてみましょう。
If I had time, I could be available.
「もし時間があったら、会うことができるのになぁ。」
この文を通常のIf文にすると、
If I have time, I can be available.
「もし時間があるなら、会うことができます。」
すべてが現在形に変わり、より確定的な表現になります。使い分けは難しいかもしれませんが、見分けられるようになりましょう。
仮定法のI wish
「〜だったらなぁ」
I wishから始まる文で「〜だったらなぁ」という表現をすることができます。I wishのあとの文を過去形にし、仮定法の文をつくることができます。
I wish I were rich.
「私がお金持ちだったらなぁ。」
hopeとの違い
I wishと似ている表現のI hope、これらは何が違うか気になる方もいると思います。I wish は実現できなさそうな願望に使います。実現できると思っている場合は、hopeを使います。
I hope Ken can pass the final exam.
「ケンが最終試験に合格することを願っている。」
I wish Ken could pass the final exam.
「ケンが最終試験に合格すればいいのになあ。」
どちらも「最終試験に合格すること」を願っています。ですが、hopeは合格することを望んでいるのに対して、wishは合格する可能性がかなり低いと思っている場合に使われます。
このように「願う、望む、祈る」を意味する単語wish, hopeでもこのように使い分けることができます。