2度目の語学学校|こんな時代の留学
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2度目の語学学校|こんな時代の留学

こんにちは、ガチャです。YMS(Youth Mobility Scheme≒ワーホリ)Visaで2020年9月15日からロンドンで生活しています。第11話のテーマは「2度目の語学学校」。約2カ月間の一時帰国を終え、ロックダウン解除の見通しが立ったため英国に戻った筆者。その後、2021年4月から3カ月半にわたり語学学校に通いました。2020年11月〜の4週間でも勉強した学校です。2度目の今回は、英語力の向上はもちろん、「一生の友達」に出会うなど、素晴らしい時間を過ごしました。その詳細と到達点について書いていきます。

最初の1カ月

「一生の親友」との出会い

政府の規制緩和により、通学や出勤などの外出が認められた2021年4月ごろ。私が通う予定だった語学学校も再開し、ようやく学習の場を得ることができました。しかし、当時はまだ、語学学校に通う私たちのような「外国人」はほとんど英国にいない状況。再開から最初の1カ月は、生徒は全体でわずか3、4人で、クラス分けも「上・下」のたった2つでした。

私は「上」のクラスに入ったのですが、クラスメイトはスイス人の19歳、ピエロだけ。朝9時半から3時間は、彼と2人で授業を受けます。お気づきかと思いますが、このピエロが「一生の親友」です。私より7つも年下ですが、お互い大のサッカー好きということもありすぐに意気投合し、もうそれは今考えると気持ち悪いくらい授業後もずっと一緒にいました(笑)。

彼の英語レベルはかなり高く、通常ならAdvance(C1レベル)クラスに入る能力。当時の私よりは読み書きもスピーキングもかなりできたので、会話中に何度も聞き返したり、授業中も流れを止めてしまったり、そんなことは日常茶飯事でしたが、嫌な顔ひとつしません。欧米人独特の自己主張が強いタイプでもなく、ただただめっちゃいい奴で、それはもう午前の授業が楽しくて仕方ありませんでした。

しんどかった午後クラス

その一方、午後のクラスはかなり辛かった。午前の3時間に加え、2時間の午後クラスも取っていたんですが、こちらは長文読解やビジネスシーンでのメール・会話、プレゼンなどに特化したクラスでした。私はイディオムなどボキャブラリーに特化したクラスと聞いていたのですが、当時は生徒数が少なかった影響でそのクラスが開かれず。しかもクラスメイトはピエロと、彼よりさらに英語ができるドイツ人の女の子。ついていくのがやっと、という1カ月でした。宿題の量も多く、週に1度は10分くらいのプレゼンをやらされるので、その準備もかなり大変でした。

とまぁ、当時は「もう嫌だ〜」と嘆いていたのですが、今になって振り返ると、とても意味のある時間でした。追い込まれた状況でもなんとか食らいついて、プレゼンも下手なりにしっかり用意して、宿題も必ずやり切ると決め、サボらず実行。

語学学校を卒業する時、このクラスを担当していた先生に「あの時めっちゃしんどかったよ!笑」と言ったら、「そんなの知ってたよ。でも頑張って良かったでしょ?」って。その通りです、先生。

真ん中の1カ月半

Upper Intermediate(B2)クラスでの学び

5月に入り、欧州全体でコロナ感染者・死者数が減少に向かい、語学学校にも続々と生徒が入学してきました。午前コースも通常通りElementary(A1)〜Advance(C1)レベルまで開講。私は上から2番目にあたる、B2のコースに入りました。TOEICで言うと750〜850くらいかな?というレベルです。ピエロはC1に入ったのでクラスは分かれてしまいましたが、新たなクラスメイトも素晴らしい人ばかりでした。

フランスやイタリア、スペインなど西欧出身の20代前半のメンバーが多く、ノリも近くて仲良くなるのに時間はかかりませんでした。英語力は、読み書きは私の方が少し優れているけど、話すのは彼らが上というイメージ。クラス内の人数が増えたことで、授業も生徒同士のスピーキングに割かれる時間が多くなり、とても有意義な時間でした。

この頃にはもう、「英語で英語の授業を受ける」ことにも慣れ、「何を言っているか分からない、何をしているか分からない」という時間はまず無くなりました。

仕事も再開、英語漬けの日々

長い冬が明けて気候も暖かくなり、飲食店なども徐々に再開。私の勤務していたレストランもオープンしたので、平日のうち3日は9時半〜14時半まで授業、それから夜11時くらいまで仕事。残りの2日は、授業後にクラスメイトと遊びに行く。土日は彼らと少し遠出する。こんな毎日で、まさに「英語漬け」の充実した時間を過ごしました。

運が良かったのは、ここまでの2カ月半、私が通っていた語学学校に日本人が1人も来なかったこと。日本人がいると、どうしても日本語で話したり、自分たちだけで集まる時間が長くなったりしがちです。それに、ロンドンの語学学校は基本的にどこも日本人だらけ。Intermediate(B1)とB2クラスは特に、英語力がちょうど一般的な日本人レベルなので、そこで日本人がいない環境にいられたというのは間違いなく大きなプラスでした。

授業後は近くの公園でリラックス(筆者撮影)

(授業後は近くの公園でリラックス:筆者撮影)

最後の1カ月

仲間が続々と帰国

6月も後半に入り、生徒も徐々に入れ替わるように。実際、私のように3カ月以上も同じ語学学校に通い続ける学生は少数派で、みんな4〜8週間で卒業したり、母国に帰ったりします。仲良くなった西欧出身のメンバーも例に漏れず。短い「夏休み」を終え、学校を卒業し、帰国します。これまで毎日のように同じ教室で勉強して、授業後はパブに行ったり映画を観たり、ただただ公園でゴロゴロしたり。そんな日々を過ごした仲間がどんどんと帰っていくことに寂しさを感じる1カ月でした。

ピエロも、私が学校を卒業する2週間ほど前に帰国。みんなで彼を空港まで見送り、涙を流しました。(彼とはその後、既に2度会っています)

授業の方は、メンバーが少し変わったり、マンネリ化もあり、正直、「もういいかな」という気持ちになる時期もありましたが、ラスト2週間は、午後はC1クラスに入れてもらえて、それなりに刺激的な環境に身を置くことができました。

到達点

そしていよいよ、これまで3カ月半通った語学学校も卒業。最後に、自分のレベルを確認するために、ケンブリッジ英検C1レベル(CAE)の過去問を丸々解きました。

先生による採点の結果、ギリギリ不合格。リーディングとリスニングで、わずかに合格水準に達しないと言われました。ただ、スピーキングは「厳しめに採点しても合格」との評価。これはとても自信になりました。

留学当初はB1レベルの英語力しかありませんでしたが、一時帰国していた期間も含め学びを止めず、ここまで到達できたのは素直にとても嬉しかったです。

このくらいの時期からよく、眠っている間も英語で話している夢を見るようになりました。これ、よくある話で「ほんとかよ」と思う人もいるでしょうが、本当なんです。朝起きて、「あ、普通に英語で話してたな」なんて実感できると、めちゃくちゃテンション上がりますよ!

最後に

英語力向上のために英国留学を決めた筆者にとって、この時期はずっと刺激的で、毎日のように「話せるようになっている」という成長を感じることができた、かけがえのない期間でした。物理的な距離こそ遠くても、今後一生の付き合いをしていくであろう友達にも出会えました。

環境面での運も良く、楽しい時間であったことは偽りのない事実ですが、本当にかなり頑張って「勉強」したというのも事実です。これは胸を張って言えます。

逆に言うと、こういった時間を過ごせるのであれば、英語力は3カ月もあれば爆伸びします。断言できます。今の私の英語力は、間違いなくこの3カ月半で得たものがほとんどです。

さて、本稿では語学学校での生活に焦点を置きましたが、この期間は仕事面でも非常に充実した時間を過ごしました。次回はそれをテーマに書きたいと思います。お楽しみに。