英語環境で働くということ〜イギリス留学〜|こんな時代の留学
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英語環境で働くということ〜イギリス留学〜|こんな時代の留学

こんにちは、ガチャです。YMS(Youth Mobility Scheme≒ワーホリ)Visaで2020年9月15日からロンドンで生活しています。第12話は、渡英直後から働き始めた日本食レストランでのお話です。長いロックダウン(都市封鎖)期間を除くと、この職場で働いたのは約6カ月間。

語学学校での学習と並行し、英語力が爆伸びした大きな理由にもなったウェイターとしての仕事は、私にとってかけがえのない経験でした。テーマにもある「英語環境で働くということ」について、みなさんにお伝えしたいことをまとめます。

ロックダウンを経た心境と立場の変化

ロックダウン前

渡英直後の2020年10月から、ロンドン中心部の「かなり高級」な日本食レストランで働き始めた筆者。当時、約20人いるホールスタッフで日本人は自分を含めて2人でした。当然、スタッフ同士の会話も全て英語です。

このレストランにおけるウェイターの仕事は、料理やドリンクを提供するだけではありません。お酒や料理、その味わい方など、「日本の伝統」を説明し、コミュニケーションを取る必要があります。

ロックダウン前、約1カ月半働いた時は、正直まだまだ慣れない点も多く、しっかりとした説明ができなかったり、英語で困ったら仲間に助けてもらったり、そんな場面も度々ありました。他のスタッフもいい奴ばっかりでしたが、ネイティブ同士の会話に入っていくことは難しく、休憩中などもなかなか話しかけるのに勇気が必要だったり。そんな時間でした。

ロックダウン後

その後、英国はコロナの感染爆発に伴い、長いロックダウンに入りました。2021年の12月からの約半年間、レストランは休業。私は私で一時帰国を挟んだり、同僚とも全く会わない日々が続きました。

ようやく飲食店の営業が認められたのが、2021年5月ごろ。ロックダウン前と比べて、英語力(特にスピーキング)が格段に向上したこともあって、これまで以上に仕事や同僚とのコミュニケーションに積極的に取り組もうと決め、実行しました。

それに加え、日本人も含めた新たなスタッフが続々と採用されたこともあり、立場もいつの間にか「ベテラン」に変化。「教えてもらう、助けてもらう」側から「教える、サポートする」側になったことも、私にとっては非常に大きな違いでした。

ただ働くだけでなく

ネイティブ相手に仕事を教える

こうした中で、最も刺激的な体験だったのが「ネイティブ相手に仕事を教える」ことでした。マネージャーなどに「〇〇にこれを教えてあげて」と言われる機会が増えたのです。日本食レストランではありますが、もちろん日本人以外の新人は日本語を話せません。

飲食店での仕事なので、教える作業においてそんなに高度な英語力は必要ありませんが、彼らは日本の文化や習慣などについて、純粋な「Why?」をぶつけてきます。こちらが「なんとなく」でかわそうとすると、相手はそれを確実に察します。半面、少し英語がおぼつかなかったり、分かりにくかったりしても、一生懸命伝えようとしたら彼らも一生懸命聞いてくれます。

これは、彼らが「日本食レストランで働きたい」と思ったキッカケであろう「日本・日本人へのリスペクト」もあるでしょうが、人と人との関わりなんてこんなもんです。

人間同士のコミュニケーションなんだから

英語がほぼ出来なくて、単語を並べるだけでも、こちらが「伝えたい」という意志を持てば相手はそれを汲み取ってくれます。

よく、お笑い芸人・出川哲郎さんの「出川イングリッシュ」が、「コミュニケーションの本質なんだよ」みたいな話になりますが、これを地で感じることができた経験でした。しかも、私はこの時点で結構英語が出来た。「きょう語学学校で学んだ表現を使おう」だったり、「ネイティブっぽい言い回しをしてみよう」だったりが、仕事の中で出来たんです。後輩の教育、同僚との何気ない会話、お客さんへの丁寧な接客英語。どれも違った「脳の使い方」をしている感覚で、毎日がとても刺激的でした。

英語環境で働くということ

選ぶ環境とその中での意識

この記事や私の連載を読んでくださっている方は、少なからず「語学留学」や「ワーホリ」に興味がある方でしょう。そして、その生活の中で最も大切なのが、「仕事選び」です。断言します。単純に、生活の大半が職場での時間になるからです。英語力を伸ばしたい、という人にとっては、非常に重要な選択になります。

私が仕事を選ぶ時に重視した点は、「日本人が少ない」、「しっかりとお客さんとの会話が必要」という部分です。じゃあ、そもそも日本食レストランで働くなよって話ですが、そこはご容赦ください。まさしくその通りですが、今考えても渡英した当時の私の英語力では到底無理だったと思います。

反対に、ロンドンなどの大都市ならチェーンカフェだったらほぼ英語初心者でも簡単に採用してもらえますが、オススメしません。同じセリフや言い回しの繰り返しで、客とのコミュニケーションを取る時間もないです。私自身は経験していないので偉そうなことは言えませんが、知り合いからの話を聞く限りそんな感じです。

まぁ、面接やトライアルの時点でそこをしっかりと見極めるのはとても難しいでしょうから、トライアンドエラーで、いくらでもチャレンジしたらいいと思います。結局は、あなたがそこでどう振る舞い、なにを成し遂げるかが大事なんですから。

次のステージへ

筆者は結局、このレストランで2021年9月末ごろまで働くんですが、夏くらいから仕事探しを始めます。理由は、日本人が増えて少し窮屈に感じたこともありますが、職場が「居心地よくなりすぎた」というのが最も大きな要因でした。

せっかく「2年間」という制限で英国に来たのに、勝手を知って慣れた仕事をずっと続けても勿体ない。

語学学校での学びも合わせて、英語力の爆伸びを実感していたので、この時にはもう怖いものなんてありませんでした。

こういう気持ちになれたのが、最も大きな成長だったのかもしれませんね。

最後に

さて、前回の11話と今回は、語学学校と職場、2つの舞台に分けて、筆者が英語力の成長を感じた時期について書き記してきました。ようやく2021年の秋頃までキャッチアップできました。笑

次回は、英国での「ガチの就活」についてお話しできたらと思います。お楽しみに。