used to doとbe used to doingの違い|英語の細かい違い
used to doとused to doingは一見同じように見えますが、実は意味が全く異なります。しっかりと意味を理解して使い分けないと、伝えたい内容を相手に伝えることはできません。みなさんは正しく使いこなせていますか?どちらも超頻出表現なので、今回の記事で使い方をぜひマスターしましょう!
used to doとbe used to doingの違いとは?
used to doとbe used to doingは見た目がほぼ同じなので、混同して覚えてしまっている方もいるかもしれません。
この2つの英語表現を正しく理解するために、まずは例文をみてみましょう。
A : I used to live in the U.S.
B : I am used to living in the U.S.
みなさんはこの2つの例文の意味の違いを正しく説明できますか?
文法構成としては、Aはused to live、Bはam used to living。一見同じように見える2つの英語表現も、分解してみると違った文法ルールが適用されています。
<used to + 動詞の原型>と<be used to + 動名詞または名詞>がこの2つの違いの正体です。和訳すると、文全体の意味が全くもって異なるのがわかります。
A : 私はかつてアメリカに住んでいた。
B : 私はアメリカでの生活に慣れてきた。
これらを間違って使ってしまうと、相手に伝えたい内容が伝わらないのは当然ですよね。では、それぞれの表現がどのような意味を持つのか。一つずつ詳しく解説していきます。
used to doの意味
used toは「過去の習慣」を表す表現です。
「以前は〜していた」
「かつて〜していた」
前回の記事でも紹介したwouldと同じニュアンスで使うことができます。まだチェックしていない方はこちらも合わせてみてください。
used toとwouldは同じ?
どちらとも「過去の習慣」を表すused toとwould。実はこれら2つにも明確な違いがあります。
A : I used to play with him.
「以前は彼とよく遊んでいた。(が今はそうではない)」
B : I would play with him.
「昔は彼とよく遊んでいたものだ。」
used toは「今はもうしていないこと、もうやめた習慣」を表現することが多く、wouldは「昔よくしたことを懐かしむ」表現が多いです。
used to doの使い方
次は、実際にused to doの使い方をより具体的にみていきましょう。
used toは助動詞として使います。一般的に知られている助動詞はcanやwillですが、このようにtoがつく助動詞も存在します。他にもhave to「しなければいけない」 やought to「するべきだ」といったものがありますね。
「助動詞の後ろは必ず動詞の原型」というルールがあります。なので 、<used to + 動詞の原型>という形です。
I used to play soccer.
「以前はサッカーをしていた」
used toの後ろはplay、動詞の原型がきています。
He used to be a nice person.
「かつて彼は優しい人だった」
こちら の例文はどうでしょうか。beが入っていることで少し混乱してしまう方がいるかもしれませんね。助動詞の後ろは必ず動詞の原型なので、used to be、つまりbe動詞の原型が使われています。
There used to be
used toはThere is / are「〜がある」という文にも使うことができます。しかし、used toは助動詞なのでis / areを原形にしなければなりません。実際の例文をみてみましょう。
There used to be a station here.
「昔ここには駅があった。」
「昔はそうだったが、現在はそうではない」という表現ができます。be動詞の原型となるbeがしっかりと使われてますね。
used toの疑問文
「以前は〜していましたか?」といった疑問文にするとどうでしょうか?used toの疑問文は、<Did + use to + 動詞の原型の形>です。
use toはused toにしても間違いではありませんが、こちらは正式には正しくないとされています。基本的に、過去のことを聞いているので現在形Doを使った疑問文を作ることはできません。実際の例文をみてみましょう。
Did you use to live in the U.S?
「以前はアメリカに住んでいましたか?」
「かつて〜していましたか?」や「昔は〜がありましたか?」というように過去について聞くことができます。
ちなみに、used to自体が「かつては〜していた」と過去のこと表す表現なので、used toの過去形は存在しません。
be used to doingの意味
be used to doingは「〜に慣れている」という意味です。過去のことを表すused toとは意味が全く異なります 。
be used to doingの使い方
be used toの後には必ず動名詞または名詞がきます。先程のused to doと同じく、原則として文法上のルールがあります。最初の例文をみてみましょう。
I am used to living in the U.S.
「アメリカでの生活に慣れている」
used toの後ろは動詞の原形ではなく、動名詞がきていますね。そして、「〜に慣れている」という意味を表します。
get used to doingでも使える
また、be used to doingの代わりにget used to doingを使うことができます。これら2つに大きな違いはありませんが、「慣れてきている」という表現をしたい場合にgetを使います。getのコアイメージは「〜をつかむ、得る」です。 なので、「慣れてきている」という表現ができるわけですね。実際の例文をみていきましょう。
I got used to living in the U.S.
「私はアメリカでの生活に慣れてきた。」
be used toと大きな違いはなく、「慣れてきている」ことを表しています。また、be getting used to doingで「だんだんと慣れてきている」という意味で使うことができます。
I'm getting used to living in the U.S.
「私はアメリカでの生活に慣れてきている。」
be gettingというような現在進行形を使うことによって、「まさに今〜してきている」と表すことができます。
used to doとbe used to doingの例文
ここまで、「過去の習慣」を表すused to doと「慣れている」ことを表すbe used to doingの意味と使い方をご紹介しました。これ ら2つの違いを正しく理解できたでしょうか?
見分け方として、used toの後ろの動詞の形に注目してみてください。
動詞の原形 =「過去の習慣」を表す
動名詞または名詞 = 「慣れ」を表す
最後にこれら2つの例文から、学んでいきましょう。
I used to live in London.
I used to live in London.
「私はかつてロンドンに住んでいた。」
こちらは過去の習慣を表すused toです。「過去にロンドンに住んでいたが、現在は住んでいない」ことが読み取れますね。
I’m getting used to living in London.
I’m getting used to living in London.
「私はロンドンの生活に慣れてきている。」
get used to doingは「慣れ」を表す表現でしたね。ここではis getting used to ~というように現在進行形となっています。なので、「だんだん〜してきている」という意味を表すことができています。
I used to work in a sales company.
I used to work in a sales company.
「私はかつてセールスの会社で働いていた。」
used toの後ろの動詞は原形、つまり「過去の習慣」を表す表現ですね。こちらも、現在はその会社で働いていないことが予測できます。
I got used to working in a sales company.
I got used to working in a sales company.
「私はセールスの会社で働くことに慣れてきた。」
got used to doingを使うことで、「慣れてきた」様子を表しています。その会社で働き始めて、もうす でにその環境に慣れていることが伺えますね。
It’s used to clean your hand.
It’s used to clean your hand.
「それは手をきれいにするために使われる」
最後の例文は単純に受け身(受動態)の文です。少しひっかけでしたね。used to doの前にisがあるので、「使われる」という受け身の意味です。「慣れている」の文はbe used toのあとにdoingつまり動名詞が使われるので、受け身の文と見分けることができます。受け身の分の復習はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?今回は、「過去の習慣」を表すused to do、「慣れている」を表すbe used to doingの意味と使い方をご紹介しました。最後に図で今回の復習をしておきましょう。
最初にも述べましたが、これらは実際の会話でもよく使う超頻出英語表現です。意味を混同しないように正しく使いこなせるようになりましょう!