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Satan

サタンの語源

ヘブライ語satan (敵 adversity)起源。 日本語訳は「悪魔」。 神に敵対し天界を追放された元全天使の長Lucifer(ルシファー *ラテン語で「明けの明星Venus」の意味)と同一視されています。 そして、エデンの園(Garden of Eden)で蛇に姿を変えEve(エバ)をそそのかしたのが堕天使Lucifer、すなわちサタン。 禁断の果実(forbidden ftuit)を食べたEveとAdam(アダム)が楽園を去る話は英国の詩人J. Milton(1608-74)の代表作Paradise Lost (1756『失楽園』)の主題。

devil

悪魔の語源

「魔王」「極悪人」「サタンSatan」などとも。 ギリシア語diabollein(中傷する)の名詞形diabolos(悪口という人 slanderer)起源でdiabolical(悪魔のような、邪悪な)は関連語。 派生語はdevilish(悪魔のような)、devilment(悪魔の所業、悪ふざけ)、devildom(魔界)など。 devilを用いた諺を2つ: Angel abroad, devil at home. 外では天使、家では悪魔 Devil finds work for the idle hands. 悪魔は怠け者に仕事を与える cf. 小人閑居して不善を為す(古代中国の経書・礼記(らいき)より)

angel

天使の語源

ギリシア語angelos (神の使者 messenger of God)起源。 神と人との間の架け橋とされますから「天使」はぴったりの訳語。 派生語はangelic(天使のような)。 gospel(福音 原義:よい便り)を意味する古語evangel(*ev-=eu-よい angel知らせ)や「使者の長」を意味するarchangel(大天使 *arch-首位の)は関連語。 なお、大天使は天使軍を統括するMichael(ミカエル)とするのが一般。 ルネッサンスの巨匠ミケランジェロ(Michelangelo 1475-1564)の名となっています。

inferno

地獄の語源

ラテン語由来の語で原義は「陰」「低い領域」。 英語ではhellで地獄を意味するのが一般。 形容詞infernal(極悪の、地獄の、ひどい)はthe infernal regions(冥土、冥府)、an infernal nuisance(この上なく迷惑なもの)のように応用。 イタリアの詩人Dante(1265-1321)の『神曲』(英題:Divine Comedy)は地獄篇(The Inferno)で始まる三部構成の叙事詩。 Divine Comedyを直訳して表題とした『神聖喜劇』(1978-80)は日本陸軍の不条理を描いた大西巨人の代表作。

heaven

天界の語源

ドイツ語のHimmelにあたる語。 詩では「空(sky)」の意味でも使われますが、通常は神々や天使たち(angels)が住まいする最も高い場所(highest place)、日本語の極楽に相当する宗教的想像の世界を指します。 対義語は言うまでもなくhell(地獄)ですね。 イタリアの詩人ダンテ(Dante Alighieri, 1265-1321)の大著『神曲(The Divine Comedy)』を友に地獄、煉獄、天国(paradise)と経巡るのも一興かと。 形容詞heavenlyは「天空の」「神々しい」の意味。

giant

巨人の語源

ギリシア神話に登場する怪力の巨人族Gigantesを起源とする語。 形容詞gigantic([ʤaɪgǽntɪk] 巨人のような、巨大な)ではギリシア語の綴りgiga-が現れます。 giga-(10億、無数の)はgigabyte(10億バイト)、でお馴染みですね。 旧約聖書に出て来るダビデ(David)に倒された巨人戦士ゴリアテ(Goliath)。 ガリバー旅行記の巨人国。 英国の民話「ジャックと豆の木」(Jack and the Beanstalk)に登場する雲の上の巨人。 あなたの記憶に残るgiantは?

monster

怪物の語源

monsterはmonitor(監視する)と姉妹関係にある語で、どちらも「警告する」を意味するラテン語monereに由来します。 monsterが巨大で奇怪な(monstrous)姿で人前に現れるのは神の警告と考えられていたようで、いつしかmonument(記念建造物)を建てそれを長く記憶に留めることが習慣となりました。 よく耳にするdemonstration(論証、実演宣伝、デモ)にもmonsterが隠れていますから、時には耳目を傾けることが必要なのかも。

legend

伝説の語源

聖人の人生譚(story of a saint’s life)延いては読まれるべきもの(things to be read)— これがlegendのもとの意味。 ラテン語legere(読む、集める、選ぶ)由来の語で、関連語にはlegendary(伝説的な)、legible(読みやすい)、illegible(読みにくい)、elegant(上品な)、college(大学)等々。 変化形-lect, -ligまで加えればcollect(集める)、intellect(知性)、lecture(講義)、intelligent(知能の高い)、diligent(勤勉な)と実に多彩、目の回りそうな連係プレーです。

ghost

幽霊(ゆうれい)の語源

原義は「恐怖 terror」とされるが正確には不明。 ドイツ語Geist(霊魂 spirit、幽霊 ghost)につながる語。 幽霊のほか、幻影などぼんやりしたもの、実体のないものを指すときに使われます。 ghost story(幽霊話)、ghost company(実体のない会社)、ghost town(廃墟と化した町)、ghost writer(代作者)— いずれも実の姿の見えない幽霊のような(ghostly)存在ですね。 Holy Ghostはキリスト教三位一体説における「聖霊」を指す言葉。

dragon

の語源

dragonはギリシア語drakon(蛇 serpent)から英語にたどり着いた語。 竜はもちろん仮想の生き物ですが、神話伝説では花形的存在です。 Harry Potterシリーズの脇役Draco Malfoy、実在の人物ではエリザベス1世から騎士(knight)の称号を与えられた海賊Captain Drake— DracoもDrakeも蛇の目を持つ竜の化身です。 化身と言えばトンボもそうかも。 トンボは英語でdragonflyですが、「飛ぶ棒」と「飛ぶ蛇」では想像の世界もがらりと変わります。

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山田雄一郎|英語大百科監修者
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広島大学教育学部大学院修士課程修了。もと広島修道大学教授。主な著作:「言語政策としての英語教育」(渓水社)、「英語教育はなぜ間違うのか」(筑摩書房)、「日本の英語教育」(岩波書店)、「外来語の社会学」(春風社)、「英語力とは何か」(大修館書店)、「小学生からの英語絵辞典」(研究社)、「英単語QUEST 2000」(学研プラス)

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英語能力テスト開発研究所(IQELT)代表。京都外国語大学専攻科修了。中学校英語教師、学習塾経営、日本英語検定協会顧問、大学非常勤講師、東京書籍顧問、IELTS公式テストセンター顧問を歴任。英語に関する各種研究会の企画運営を通して英語教育界に広く知己を得る。米国、イギリス、フィンランド、シンガポール、中国、韓国などでの学会や研究会への参加を重ねる。