B1Survival Level
英語大百科の単語ランク

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職場、学校、娯楽など身近な事柄に関する標準的な発話や文章の要点が理解し、自分の興味ある話題について意見を述べるのに求められる語。

B1:Survival Levelの最新の単語

Austria

オーストリアの語源

Austriaは古いドイツ語でÖsterreich— その意味はeastern realm(東方のöster領土reich)。 オーストリアと聞くと作曲家のモーツァルト(W. Mozart 1756-91)と彼の生誕地ザルツブルク(Salzburg 原義:塩の町)、首都ウイーン(Wien)を代表する名所シェーンブルン(Schönbrunn 原義:美しい泉)宮殿、フランス革命(the French Revolution)で命を落としたマリー・アントワネット(1755-93)とその母で女帝のマリア・テレジア(1717-80)らの面影が浮かんできます。

heaven

天界の語源

ドイツ語のHimmelにあたる語。 詩では「空(sky)」の意味でも使われますが、通常は神々や天使たち(angels)が住まいする最も高い場所(highest place)、日本語の極楽に相当する宗教的想像の世界を指します。 対義語は言うまでもなくhell(地獄)ですね。 イタリアの詩人ダンテ(Dante Alighieri, 1265-1321)の大著『神曲(The Divine Comedy)』を友に地獄、煉獄、天国(paradise)と経巡るのも一興かと。 形容詞heavenlyは「天空の」「神々しい」の意味。

monster

怪物の語源

monsterはmonitor(監視する)と姉妹関係にある語で、どちらも「警告する」を意味するラテン語monereに由来します。 monsterが巨大で奇怪な(monstrous)姿で人前に現れるのは神の警告と考えられていたようで、いつしかmonument(記念建造物)を建てそれを長く記憶に留めることが習慣となりました。 よく耳にするdemonstration(論証、実演宣伝、デモ)にもmonsterが隠れていますから、時には耳目を傾けることが必要なのかも。

yellow

黄色(の)の語源

光り輝く(shine)を原義とする語。 目立つことから警戒色(warning color)として利用されます。 gold(金)、glow(光り輝く)、gall(胆汁 原義:黄色い汁)は色でつながる同根語。 yellowは明るく良い印象を与えると思われがちですが、英語では嫉妬深い(jealous)、臆病な(cowardly)、低俗な(vulgar)など見下した視点からの用法が目立ちます。 用例を3つ:yellow looks ねたましそうな表情 yellow dog 臆病者 yellow press 低俗で扇情的な新聞

red

赤(い)の語源

緑(green)、青(blue)と並ぶ原色の1つ。 主な派生語はredden(赤くする/なる)とreddish(赤みを帯びた)の2つ。 ルビー(ruby)、rust(さび 原義:赤くなった)、ruddy(血色のよい)、rubicund(赤ら顔の)、robust(たくましい)などは関連語。 血(blood)、夕焼け(sunset)、情熱(passion)、危険(danger)、恋(love)、興奮(excitement)はredから連想が働きやすいとされる事象。 あなたの連想は行く先は? 用例を2つ: reddish brown 赤みがかった茶色 brownish red 茶色がかった赤

gray

灰色(の)の語源

イギリス式はgreyと綴ります。 黒(black)と白(white)の間に位置づけられ、薄暗く(dim)不明瞭な(unclear)な意味合いが付きまとう語。 grayのもたらす連想はdull(退屈な)、cloudy(どんよりした)、boring(退屈な)、old(年老いた)、pale(青白い)、ambiguous(あいまいな)、ash(灰)、lead([léd] 鉛)など、どこか元気がないものばかり。 用例を5つ: gray face 青ざめた顔 gray skies どんよりした空 gray hairs 白髪 gray power 老人パワー gray area あいまいな領域

drone

ドローンの語源

「ミツバチの雄」「なまくら者」「ブンブンうなる」などの用法も。 無人航空機(UAV=unmanned aerial vehicle)が注目を浴びるようになったのは21世紀に入ってから。 種類は大きさや貨物積載能力、飛行距離などによってさまざまです。 開発が始まったのは1930年代で当初の目的は軍事用。 ギリシア語threnos (悲しみの歌)が起源で、それが蜂の羽音(buzz)に重ねられ、やがて「蜜蜂の雄」に。 働きが悪いのか、「なまけ者」の烙印が。

car

の語源

ラテン語carrus (車輪のついた乗物 wheeled vehicle=car)が起源。 「自動車」「電車」「列車の車両」「ロープウェイのゴンドラ」などの意味ですが、古代ギリシア・ローマ時代はcart(荷馬車)やchariot(2輪戦車)などを指していました。 その後carrusは枝葉を伸ばし、career(経歴)にcarrier(運搬人/装置)、carry(運ぶ)にcargo(積荷)にcharge(請求する、充電する 原義:車に荷を積む)と大きく変貌。 Carterはcarter(荷馬車屋)から起こったsurname(姓)。

vehicle

乗物の語源

ラテン語vehere (=carry 運ぶ)が起源。 もともとは人(people)や物(cargo)を運搬する陸上の乗物を指す語。 輸送手段の発達した現在、ship(船)、boat(ボート)、submarine(潜水艦)などの船舶(watercraft)やairplane(飛行機)、helicopter(ヘリコプター)などの航空機(aircraft)、さらにはspace shuttle(宇宙連絡船)までvehicleと呼ぶようになりました。 way(道)、weigh(重さを量る)、wain(大きな荷車)の3語は「運ぶcarry」の原義を共有するvehicleの遠い親戚。

winter

の語源

四季の中で最も厳しいwinterはyear(1年)の意味で使われやすい語。 例えばHe passed two winters in Siberia.(シベリアで2年を過ごした)のように。 冬を乗り切ることが無事の1年に通じるのでしょう。 日本でシベリア寒気団(Siberian air mass)を意味するGeneral Winter(冬将軍)は幾多の戦いの行方を左右してきたRussian winter(ロシアの冬)を擬人化した言葉。 winter sleep(冬眠)はmidwinter(真冬)をやり過ごす動物たちの対抗手段。

autumn

の語源

夏が人生の真っ盛り(the prime of life)ならば、秋は凋落に向かう季節。 sign of autumn(秋のきざし)、early autumn(初秋)、late autumn(晩秋)— どこをとっても穏やかで少し寂しい? 秋はまた、冬に備えた最後の賑わい、収穫の季節。 日本は秋祭り(autumn festival)、米国は感謝祭(Thanksgiving)で祝います。 autumnal air(秋の気配)、autumnal cold(秋寒、秋冷)、autumnal night(秋の夜長)、autumnal tints(秋色、紅葉)— 形容詞autumnal(秋の)を使った表現にはどこか趣がありますね。

water

の語源

純粋な水(H2O)はtasteless(無味)でodorless(無臭)かつcolorless(無色)。 日本語には「水」「湯」と両者を区別する語がありますが、英語はwaterに形容詞を添えてboiling water(熱湯)、tepid water(ぬるま湯)、cold water(冷水)と表現。 freshwater(真水)、sea water(海水)、brackish water(汽水=内湾や河口部に見られる半塩水)もどうぞ。 wet(ぬれた)、otter(カワウソ)、whisky(ウイスキー 原義:生命の水)、vodka(ウォッカ)はみなwaterから生まれたもの。

nose

の語源

一般に人・動物の嗅覚器官(organs of smell)を指して使われる語。 動物によってはmuzzle(犬や馬など)やsnout(豚やイノシシ、バクなど)と使い分けられます。 ゾウの鼻はtrunk(木の幹)で。 形容詞はnosy(せんさく好きな)とnasal(鼻の)の2つ。 nosy person/neighbors(せんさく好きな人・お節介な隣人たち)、nasal bone/voice(鼻の骨・鼻声)のように使います。 呼吸(breathing)と匂いをかぐ(smelling)働きをする小鼻はnostrilで。

organ

器官の語源

原義は「道具(tool)」。 言われて見れば、オルガンも道具の1種。 その「道具」が後に動植物の器官や臓器を指して用いられるようになり、守備範囲は驚くほど拡大。 lung(肺)throat(のど) tongue(舌) teeth(歯)唇(lips) roots(根) stalk(茎) leaf(葉) flower(花) seed(種)など、厖大な数のorganが誕生しました。 派生語はorganism(有機体)、organize(組織する)、organization(組織)、organic(有機の)など。 臓器名と共に重要な日常語となりました。

piano

ピアノの語源

pianoforte(ピアノ 原義:弱と強)の短縮形。 オルガン(organ)やアコーディオン(accordion)と並ぶ鍵盤楽器(keyboard instrument)ですね。 強(forte=loud)弱(piano=soft)の変化を奏でる楽器の意味でpianoforteの名が与えられましたが今はpianoと簡単に。 イタリア語由来の音楽用語mezzo forte(やや強く)、fortissimo(きわめて強く)、mezzo piano(やや弱く)、pianissimo(きわめて弱く)は関連語。 forteはfort(砦とりで)、force(力、腕力)、effort(努力)と変身を重ねて大活躍。

trumpet

トランペットの語源

trumpetの古い形trump(ラッパ)に「小さい」を意味する-etが付いた形。 トランペット奏者はtrumpeterで。 今でこそ吹奏楽器(wind instrument)の花形ですが、古くはいわゆるラッパ。 角笛(horn)やほら貝(trumpet shell)に近いもので多く戦場や儀式で用いられました。 トロンボーン(trombone)やチューバ(tuba 原義:war trumpet)は関連語。 トロンボーン奏者はtrombonistでOKですがチューバ奏者は適当な変化形がないのでtuba playerを使います。

orchard

果樹園の語源

古英語の綴りはortgeard (果樹園、菜園、庭園)。 ort-はラテン語hortus (庭 garden)に、-geardはyard(庭 原義:囲われた土地)に同じ。 つまり、orchard=garden+yardの構造。 hortusにつながる関連語horticulture(園芸、園芸学)はagriculture(農業 *agri- 畑 field)にならった造語。 『桜の園』(英題The Cherry Orchard 1903)はロシアの劇作家チェーホフ(A. Chekhov 1860-1904)最晩年に書かれた代表作。 用例を3つ: an almond/apple/orange orchard アーモンド/リンゴ/オレンジ園

double

二重のの語源

doubleはdou-(2)と-ble(重ねる)が合わさった語で、基本の意味は「二重に重ねる」です。 -bleはラテン語plicare (折りたたむ)の変化形で、double以外はsimple(単純な)、triple(三重の)、quadruple(四重の)、quintuple(五重の)のように-bleではなくラテン語綴りを残した-pleが使われます。 スポーツにおける「2対2」の対戦競技はdoublesで。 「1対1」の場合はsimpeの関連語single(たった1つの)を使ってsinglesと必ず複数形で。

twin

双子の一方の語源

原義は「二倍の、二重の twofold, double」で、twice(2度)やtwig(小枝 原義:二股に分かれたもの)は関連語。 双子の一方を指す語で二人揃っていればtwinsです。 三つ子以上はそれぞれtriplets, quadruplets, …と続きますが使う機会はそれほど多くないようです。 そんな中、南アフリカ(South Africa)でdecaplet(10つ子=どう読むのかわかりません)が生まれたそうです。 2021年のことで、ギネス世界記録(Guinness World Record)として認定されました。

twist

より合わせるの語源

古英語では「綱」の意味。 原義は「2つに分けられたもの divided object」でそこから「巻く」「からませる」「ねじる」「(顔を苦痛で)ゆがめる」「歪曲する」などと意味が広がりました。 twin(双子の一方)、twig(小枝)、twice(二度)、twine(より糸:より合わせる)、entwine(からませる)などは関連語。 派生語はtwister(難問、つむじ風)。 用例を3つ: I twisted my wrist. 手首をくじいた a twisting road 曲がりくねった道 a tongue twister 早口言葉 

policeman

警官の語源

policeman生みの親のpolice(警察)はラテン語politia(国家)を起源とする語で、管理治安に関わるpolicy(政策)やpolity(政治形態)は関連語。 1829年初出のpoliceman(警察官)は、男性(man)を連想させることから近年ではpolice officerと中性化されています(neutral)。 ほかにもchairperson(議長)やbusinessperson(実業家)など、男女を意識させない表現は増えています。 意外な感を受けますが、policewoman(女性警官)は早くも1853年に登場。

law

法律の語源

lawはlay(置く)やlie(横たわる)と同根で、原義はsomething laid down(置かれたもの)。 その背後にあるのは神(god)。 「神によって置かれたもの」、すなわちlawの始まりは「宗教上の掟(おきて)」だったのです。 モーセが神から授かったとされる十戒(Ten Commandments)のイメージですね。 神の影がすっかり薄れた今日、lawful (法を守る)人、守らない(lawless)人、法外に飛び出すoutlaw(無法者)に法を求めるlawyer(法律家)と、lawは何かと忙しい?

wealth

の語源

「健康な」「申し分のない」などを意味するwellの名詞形で形容詞はwealthy(裕福な)。 現在は「世俗的な意味での富」が前面に出ていますが、古くは社会全体の幸福(welfare of a community)や健康(well-being)を意味する語で、commonwealth(公共の幸福)にその名残が見て取れます。 ちなみに、英連邦(British Commonwealth)の設立は帝国主義が終焉に向かい始めた1926年のこと、今はCommonwealth of Nationsと名を変えた経済同盟として活動中。

fortune

幸運の語源

「幸運」を原義とする語。 元締めはローマ神話における運命を司る女神Fortuna(=Fortune)。 「財産」「運勢」「運命」「幸運」などと応用されます。 複数形fortunesは「人生の浮き沈み」の意味。 fortunate(幸運な)、unfortunate(運の悪い)、misfortune(不幸な出来事、不運)、fortunately(運よく)、unfortunately(運悪く)などfortuneに関わる便利な日常語。 類義語のluckはどちらかと言えば一時的な幸運を指す語。 対するfortuneは持続性の高い幸運。

underwear

下着類の語源

「下にunder- 着るもの-wear」—文字通り、下着ですね。 通例、複数形にせずに集合的、つまりundershirt(シャツ)、underpants(パンツ *英では単にpants)、drawers(ズボン下、ズロース)、lingerie(女性用下着)などをまとめて言う場合に用います。 underclothingでもOK。 ちなみに、下着類の上に着用するものはouterwearで。 用例を3つ: gent’s underwear 紳士用下着 thermal underwear 防寒下着 a change of underwear 下着の替え *thermal 保温用の change 着替え

planet

惑星の語源

太陽系(the solar system)最大の星は?— もちろん太陽(the sun)。 太陽は恒星(fixed star)で、その周りを公転している星が惑星。 planetの原義はwanderer(さまよう者)ですから、惑星はなかなかの名訳です。 かつて冥王星(Pluto)を加えた9つを太陽系の大惑星(major planet)と呼んでいましたが、現在は水星(Mercury)、金星(Venus)、地球(Earth)、火星(Mars)、木星(Jupiter)、土星(Saturn)、天王星(Uranus)、海王星(Neptune)の8惑星説が採用されています。

market

市場の語源

ラテン語mercari (商売する)起源とする語。 物を売買する目的で人が集まる場所のことですね。 日本語の「市」も人が多く集まる場所を指す語。 主な派生語はmarketable(市場向きの、よく売れる)とmarketing(販売促進活動)。 merchant(商人)、merchandise (商品)はmercari 由来の同根語。 用例を6つ: marketable vegetables 市場向きの野菜 a town market 町の市場 a market town 市の開かれる町 a fish/flower market 魚[花]市場 a flea market 蚤の市 

tongue

の語源

ラテン語lingua(舌)からlanguage(言語)ができたように、舌は発声器官(organs of speech)を代表する臓器。 ここは用例を楽しむことにしましょう。 mother tongue(=native language) 母語 a clean tongue 上品な言葉遣い a sharp tongue 辛らつな言葉 a slip of tongue 言い誤り She has a busy tongue. 彼女はよくしゃべる He speaks with a double tongue. 彼は二枚舌を使う Hold your tongue! 静かにしろ Guard your tongue. 口を慎みなさい

language

言語の語源

ラテン語lingua(舌 tongue)を起源とする語。 関連語は連結形lingu-(言語の、舌の)を用いてlingual(舌の)、linguistic(言語の)、linguistics(言語学)のように作ります。 言語の世界はわからぬことだらけ。 例えば、その数。 世界には6,000±1,000程と考えられていますが正確な数は不明。 なぜなら、誰も数え上げられないからです。 母語(mother tongue)習得も文法(grammar)の仕組みも未解明。 linguist(言語学者)の活躍が待たれます。

college

大学の語源

ラテン語collegium (共同体)を起源とする語。 原義は「共にcol-=com 選ばれた者lege」で、「(専門職・公職にある人の)同僚」「仲間」を意味するcolleagueは同根語。 なお、厳密に言えばcollegeは「単科大学」「総合大学の学部」「専門学校」「各種学校」などのことで、総合大学についてはuniversityを用います。 用例を4つ:a college student(=a collegian) 大学生 a college life 大学生活 a business college 実務専門学校 a college of education 教員養成大学

cap

帽子の語源

cap(野球帽やビンなどのふた)は「フード付きマント」を意味するcapeと同根。 元締めはラテン語caput (頭)。 cap-の形をchap-, chief, cab-, cat-などに変化させ、思いも掛けない姿になって登場します。 chief(主要な)、chef(シェフ)、captain(キャプテン)、cape(=headland 岬)、cabbage(キャベツ 原義:頭)、capital(首都)、chapel(礼拝堂)、cattle(牛)、chapter(本などの章 原義:小さな頭)、caprice(気まぐれ 原義:毛を逆立てた頭)— まだまだありますよ。

unite

結合するの語源

原義は「1つにする-ite」。 uni-(=one)は他の語と合体しやすい語。 union(組合)もuniform(制服)をまとって結束強化、再び(re-)集まってreunion(同窓会)、回転(-vers)を集めればuniversity(総合大学)で輪1つならunicycle(一輪車)。 過去分詞unitedも負けてはいません。 アメリカ合衆国(United States of America)、United Kingdom(=UK 連合王国)、国際連合(United Nations)、アラブ首長国連邦(United Arab Emirates)など、一致団結への高邁な精神を宿す名。

ambition

野心の語源

Boys, be ambitious.— 「少年よ、大志を抱け」と訳されるこの一文、札幌農学校初代教頭William Clarkのものとされていますが真偽の程は不明。 ambition, ambitiousの背後には動詞amble(原義:票を求めてうろつく)が控えます。 ambitious personとすれば野心に燃える人のことですが、大志も野心も紙一重、要はうろつく人の心組み一つ。 ambleは傷病者を乗せて町中を駆け回るambulance(救急車)の生みの親でもあります。

villa

別荘の語源

villaの起源は古代ローマにあります。 上流階級の人たちが田舎に構えた広大な別荘を想像して下さい。 そこで働く農奴がvillanus(ラテン語)で、それが姿を変えてvillain(悪党)になりました。 villageも忘れてはなりません。 villageはvillaに-age(集合体)が付いた形で、あえて直訳するなら別荘村。 villaは現在でも富裕層の別荘を指すのが一般で、庶民的な別荘にはcottageやbungalowが使われます。

civilization

文明の語源

civilizationはcivilize(文明化する)の名詞形、civilizeはcivil(一般市民の、礼儀正しい)の動詞形、そしてcivilはcity(都市)につながる語。 これらを数珠つなぎにすると、未開のままに暮らす人々を礼節を知る市民に変身させるcivilizationの姿が見えて来ます。 文明には都市が、都市にはそれを動かす権力構造が必要だとすれば、争いの火種もまた尽きぬということ。 文明の興亡はそのまま帝国(empire)の盛衰に重なります。

army

軍隊の語源

army(原義:武器を備えたもの)は一国の軍隊、特に地上軍を指す語。 armは「武器」の意味(腕のarmとは別な語)、例えばArmada(スペインの無敵艦隊)やarmor(甲冑)で身を固めた南米の夜行性哺乳類armadillo(アルマジロ 原義:武装した男)などに潜り込んでいます。 an army of caterpillars(行進する行列毛虫)やan army of ants(アリの大群)などのarmyは「大群」の意味。 army antsなら「軍隊アリ」。

fever

の語源

病気による異常な体熱(body temperature)や熱病を指して用いられる語で、原義は燃える(burn)、形容詞はfeverish(熱のある/熱っぽい)です。 fever(高熱)、low fever(微熱)のようにfeverの対象はあくまで発熱状態。 平熱と言いたいときは単に「温度」「体温」を意味するtemperatureを用いてnormal temperatureと表現します。 gamble fever(ギャンブル熱)やfootball fever(サッカー熱)などの病的な熱狂はもちろんtemperatureではなくfeverで。

important

重要なの語源

import(輸入する:輸入)から生まれた語。 気づいていた人はsuper! importの原義は「運び-port込むin-」で、「(港に)運び込む必要があるほどに大切な(もの)」という連想から「重要な」という意味になりました。 主な派生語はimportance(重要性)、importable(輸入できる)、importantly(重大 なことに、もったいぶって)。 export(輸出する)、report(報告する)、transport(輸送する)、sport(気 晴らし)などport(港:運ぶ)を起点とする関連語多数。

stone

の語源

岩のかけら(a piece of rock)のことですね。 岩より小さく砂(sand)より大きいというのが大雑破な定義ですが、rockからsandまでの旅は一足飛びとはいきません。 浜辺(beach)でよく見かける丸い小石はpebbleで砂利ならgravelと、観察次第で呼び方はさまざま。 鉄鉱石(ironstone * iron 鉄)、サクランボの種(cherrystone *cherryサクランボ)、硯(すずり)(inkstone * ink 墨)、墓石(tombstone * tomb 墓)などstoneの使い道も実に多彩。 派生語はstony(石の、石の多い)。

servant

使用人の語源

servantは仕える(serve)人(-ant)という組み立て。 そのserveは奴隷(slave)を意味するラテン語servus由来の語。 servantが神(God)や主人(master)に仕える「しもべ」「下僕」「召使い」などと訳されてきた所以です。 公僕(public servant)は国と地方を問わず全ての公務員を指す言葉ですが、「僕」の謙虚さを漂わせる国会議員や官僚は多くないような。 選挙中はservant、当選すればくるりと背を向けmasterに早変わりでは何とも…。

town

の語源

townは元来fence(垣)やhedge(生け垣)を指す言葉。 そこから生まれる連想も、堅固な壁に守られた城塞都市ではなく、柵(palisade)で囲まれた小さな集落(settlement)のような風景。 ところがその小さな集落が、「〜の町、所有地」の意味となって世界中に拡散したのです。 私たちは今、Baytown, Cape Town, Milton, Washington, Wellington(tonはtownの変化形)と、地名人名を問わず世界のあちこちでtownの子孫(offspring)を目にしています。

gold

の語源

原義は「黄色い金属 yellow metal」。 yellow (黄色)、glow(光り輝く)、gall(胆汁 原義:黄色い汁)は同根語。 goldの化学記号(chemical symbol) Auはラテン語で「金」を意味するaurumの頭2文字を借りたもの。 golden(金色の、すばらしい)はしばしば「最良のもの」を指して使われる形容詞。 Speech is silver, silence is golden. (雄弁は銀、沈黙は金)は広く知られることわざ。 用例をあと3つ:golden age 黄金時代 golden egg 金の卵 golden section 黄金分割

room

部屋の語源

roomは今でこそ「部屋」ですが、原義は「空間」「余地」。 形容詞roomy(ゆったりした)やmake room for(席を譲る)、no room for doubt(疑う余地がない)などにその名残を留めています。 「空間」をさらにたぐり寄せれば、rural(田園の)やrustic(田舎の)などの思いがけぬ語が見えて来ます。 この2語は田舎(country)を意味するラテン語rus-から英語に流れ着いたもの。 roomの故郷が田園と知れば狭い部屋もroomyに思えてくる?

anger

怒りの語源

古ノルド語angr (悲しみ grief)から英語に。 そのangrはラテン語angere (窒息させる choke)が起源。 形容詞angry(怒っている)はangerがあふれている(-y)状態のこと。 窒息ではないにしても危険な状態とは言えますね。 関連語anxious(不安を覚える)、anxiety(不安)からも締めつけられるような苦悶が聞こえて来そうです。 ことわざにAnger is a short madness.(怒りは一時の狂気)とあります。 あおると本当に窒息するかも。

wind

の語源

ラテン語ventus (風)につながる語でweather(気象/天気)と同根。 風と気象の密接な関係は古くから注目されていたようですね。 ちなみに気圧(air pressure)温度(temperature)湿度(moisture)は風、すなわち気流(air current)を左右する三要素。 関連語window(窓)の原義は「風の目-ow」、つまりは風の通り道。 風力はwind powerで風速はwind speed— 簡単に作れますね。 windbreak(防風林)とwindbreaker(防寒用ジャンパー)はちょっと愉快な組み合わせ。

mirror

の語源

mirrorの原義は「不思議に思う wonder」。 水面や磨かれた物の表面に映った自分を不思議がる古代人を想像してください。 その驚きがmirrorにつながったのですね。 miracle(奇跡 原義:不思議な事物)やadmire(感嘆/敬服する)、仏語から入ったmirage(蜃気楼、幻覚)、少し形を変えたmarvelous(驚くべき)などはみな「不思議に思う」から始まった関連語。 Mirage fighter planeはフランス製のミラージュ戦闘機のこと。

price

代価の語源

priceの原義は「値踏み」「評価」— そこから「対価」「報酬」の意味へと。 priceがfare(運賃)やtoll(通行料)、cost(費用)やfee (謝金)と区別して使われる所以です。 主な同根語はpraise(賞賛:ほめる 原義:値踏みする)とpriceの綴り字が変化してできたprize(賞)。 綴り字や発音のつながりは明確で、まさにprice一家の三羽烏といったところ。 仏語由来のgrand prix(=great prize 大賞)もお忘れなく。

freedom

自由の語源

「形容詞 + -dom」で「状態」を表す名詞ができあがります。 「〜の所領」「〜界」「〜の地位」などの意味で用いられる「名詞 + -dom」に較べて数は少なく、代表語はfreedom以外ではbored(退屈した)→boredom(退屈)とwise(賢い)→wisdom(知恵)の2つがあるのみ。 freedomは行動や発言、思想などの自由を意味する語で、freedom of religion(信教の自由)、~ of speech(言論の〜)、~ of thought(思想の〜)、~ of expression(表現の〜)のように使います。

engine

エンジンの語源

内部にあって(en-=in-)生み出す(-gine=-gen)— これが発動機と訳されるengineの原義です。 その名の通り、engineはさまざまな語と姻戚関係を結んでいます。 一直線につながるgenerate(生み出す)、なるほどと思わせるgene(遺伝子)とgenesis(起源)、意外なところではgenius(天才)とまだまだありますがこの辺で。 なお、genesisをGenesisと書けば『旧約聖書』の「創世記」。 確かに世界創造の物語にふさわしい命名です。

dressing

ドレッシングの語源

dressingとdress(衣服)のつながりを感じ取っていた人は言語習得能力が高い人です。 「着飾る」のがdressで「料理の味を調えるもの」がdressing— そう、dressingは「まっすぐにする」「きちんと整える」というdressの原義に沿った語なのです。 ほかにもaddress, rule, right, direct, correct, rigidなど、dressの仲間には事欠きません。 互いにどう関係するのか、自ら探査し、自身の英語知識を整理整頓するのもよい学習法。

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