A1Basic Level
英語大百科の単語ランク

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日常的表現や基本語句を理解し、相手の助けを借りながら簡単なやり取りをするのに求められる語。

A1:Basic Levelの最新の単語

pea

エンドウ豆の語源

エンドウは小麦(wheat)や大麦(barley)と並ぶ世界で最も古い農作物の1つ。 古英語pease 由来。 このpeaseの-seが複数語尾と勘違いされて単数形pea(複数形:peas)の誕生に。 遺伝学の祖メンデル(G. Mendel, 1822-84)が注目した植物として知られていますね。 スナップエンドウで通っているキヌサヤエンドウ(snap pea)はさやごと食べてOK。 【用例】 pea family マメ科 *bean familyとも pea soup 豆のスープ green peas グリーンピース hull peas 豆のさやをむく

bean

の語源

マメ科植物の種(seed)全般を指す言葉。古英語bean 由来で、原義は「ソラマメ」。 多くbeansと複数形で用いられます。 大抵の種類はbeanで呼ばれますが、エンドウ(pea)やひよこ豆(chickpea)はpeaで呼ばれます。 coffee beans(コーヒー豆)やcocoa beans(カカオ豆)はわかりやすい呼び名。 broad beans(ソラマメ)とkidney beans(インゲン豆)はそれぞれbroad(幅広い)、kidney(腎臓)と豆の形によるもの。 では、soy beans(大豆)のsoyは? そう、soyは醤油のこと。

ham

ハムの語源

「すねの肉」を原義とする語で、今は「ひざ裏のくぼみ」あるいは食べ物のハムを指して使われます。 pork(豚肉)のももの部分を用いた加工食品で紀元前5-6世紀にはすでに存在していたという記録があります。 なお、baconは豚の背や横腹の肉を使ったもの。 そのまま食べられる加工肉(cold meats)は便利な食品ですが、一方で健康への悪影響も指摘されています。 食べ過ぎにはくれぐれもご用心。 ham stringは「ひざの腱」のこと。

sand

の語源

岩(rock)の細かく砕けたもので「砂」「砂地」の意味。 オランダ語はzandでドイツ語ならSand— ゲルマンの絆、英蘭独の連携が見て取れますね。 派生語はsandy(砂の、砂だらけの、ざらざらした)のみ。 sabulous(砂の多い、砂質の)はラテン語系の関連形容詞。 sandbag(砂袋、土嚢)、sandbank(砂州 * bank 土手)、sandbath(鳥類が行う砂浴び)、sandbox(公園などの砂場)、sandglass(砂時計)、sand storm(砂嵐)などは親しみやすい複合語。

rock

の語源

古フランス語rocqueから英語に入った語。 明確な語源は不明。 「岩」「石」の意味で、石(stone)に較べてごつごつしたものに使われる傾向があります。 派生語rockyは「岩の多い」「岩でできた」「(人生などが)困難の多い」といった意味。 米映画Rocky (1976)はチャンピオンを目指してrocky roadを駆け抜けるボクサーの話。 世界最大の一枚岩はMount Augustusで二番目はAyers Rock— どちらもオーストラリア(Australia)にあります。

iron

の語源

金属(metal)の中で最も産出量が多く、用途も多彩。 鉄器時代(the Iron Age)に入って初めて国家が誕生したことからも鉄が果たした役割の大きさが想像できます。 一般によく知られている「鉄」は鋼鉄(steel)と砂鉄(iron sand)。 砂鉄とiron sandでは意味の中心が逆転しているように見えますが、砂鉄は「砂状になった鉄」=「鉄の砂」で結局はiron sandと同じ。 石器時代(the Stone Age)、青銅器時代(the Bronze Age)もご参考までに。

cut

切るの語源

不規則変化動詞(cut-cut-cut)。 「切る」を代表する語。 刃のある道具で「切り込みを入れる」「幾つかに切り離す」の意味。 古北欧語kuti (ナイフ knife)起源説あり。 (名詞)「切ること」「切り傷」「切片」「削減」「分け前」「近道」などの用法も。 派生語はcutter(カッター、裁断器)。 cut flower(切り花)、cut glass(カットグラス)などは過去分詞cutの形容詞用法。 haircut(散髪)、cutlet(カツレツ)、shortcut(近道)など複合語多数。

can

〜できるの語源

「〜でありうる」「〜しかねない」などとも。 古英語cunnan (知っている know)由来で原義は「(やり方を)知っている」— そこから「できる」の意味に。 I know how to swim=I can swimと捉えればcanとknowのつながりが見えて来ます。 ついでながら、cunning(悪賢い 原義:知っている)はknowでつながる同根語。 用例を3つ: Can you come? 来られますか It cannot be true. それは本当であるはずがない Money cannot buy happiness. 金で幸せは買えない

rain

雨(が降る)の語源

「雨が降る」の動詞用法も。 古英語regen 由来で、ドイツ語Regen (雨)とは姉妹語の関係。 派生語はrainy(雨の、雨降りの、雨の多い)。 sudden shower(にわか雨)やsun-shower(キツネの嫁入り、天気雨)など、雨をshowerで表すことも。 日本語では「激しいにわか雨」を指して「スコール」と呼びますが、英語のsquallは「突風」の意味。 rainを用いた複合表現を5つ: rain cloud 雨雲 rainfall 降雨、降雨量 raindrop 雨滴 rainbow 虹 rainwater 雨水、天水 

snow

雪(が降る)の語源

あられ/ひょう(どちらもhail)と同じく固体としての降水現象の1つ。 降雪あるいは降雪量はsnowfallで、みぞれ(=雨交じりに降る雪)はsleetで表現します。 「雪」は日本ではごく普通の言葉。 ということで、snowを使った馴染みのある表現を9つ: snowball 雪合戦の雪玉 snowbelt 豪雪地帯 snowman 雪だるま snowflake 雪片 snowshoes かんじき snowfield 雪原 snowmobile 雪上車 snowboard スノーボード snowstorm 吹雪

typhoon

台風の語源

太平洋北西部に発生する熱帯性暴風(tropical storm)。 中国語(Chinese)由来かと思いきや、アラビア語(Arabic)? はたまたギリシア語(Greek)? と起源は未だ謎。 日本では気象庁が先端技術(high technology)を駆使して台風の目(the eye of a typhoon)を追いかけています。 一方で集中豪雨(cloudburst)を従えた台風は、地球温暖化(global warming)と関係があるのかないのか、年々深刻の度合いを増しているように見えます。

station

の語源

stationは常に誰かが駐在している場所について用いるのが基本。 「駅」「署」「局」「所」などの漢字が当てられる職場、例えば警察署や消防署、放送局、看護婦(nurse)詰め所などはstationで表現します。 これに対して、夜間や休日に閉鎖される職場については、たとえ郵便局(post office)のように「局」がついてもofficeが使われます。 stationはstand(立つ)に由来する語で、動詞stationは「駐在する」、形容詞stationaryは「静止している」の意味。

school

学校の語源

schoolの起源は余暇(lesisure)を意味するギリシア語schole —余暇が学びに結びつくとは意味深いですね。公的な学校制度は古代に生まれたものですが、「学校」が日本で制度化されたのは明治5(1872)年のことで当時の就学率は随分低かったようです。現在では満6歳を学齢(school age)と定めていますね。schoolを用いた複合表現をもう5つ:school doctor 校医 schoolhouse 校舎 school song 校歌 schoolteacher 小学・中学・高校の先生 school district 学区

fence

垣根の語源

fenceはスポーツで多用されるdefence (防御:米綴りはdefense)のdeが取れた形。 fenceとdefenceを並べれば両語の関連は歴然ですね。 fenceの動詞用法は「垣を巡らす」「防御する」で、そこから西洋式剣術つまりフェンシング(fencing)が生まれました。 fencingは折に触れてkendoと比較されますが、スポーツ性を感じさせるfencingに対し、剣道には単にスポーツと割り切れないこだわりが残されているようです。

building

ビルの語源

日本語の「ビル」より意味範囲は広く、「(出来上がった)建築物」について広く用いられます。 古英語byldan 由来の語で原義は「家」。 動詞buildも「家を建てる」に始まりましたが今や、火を起こす(build a fire)、体を作る(build up one’s body)、橋を作る(build a bridge)と守備範囲を拡大。 レンガ造り / 石造り / 木造の建物は建築素材を頭に付けてbrick / stone / wooden buildingのように表現します。 bodybuilding(ボディビル)もお忘れなく。

jacket

上着の語源

jacketは中世ヨーロッパの兵卒の着衣を指す古いフランス語jaquet から英語に入った語。 現在は単に「上着」を指す語で、しばしばcoat(上着)と同義に使われます。 life jacket(救命胴着)やdown jacket(ダウンのジャケット)は日本語でも使われますね。 potatoes cooked in their jackets(皮つきで調理されたジャガイモ)、record jacket(レコードのジャケット)、book jacket(本のカバー)など、jacketはなかなかの働き者。

day

1日の語源

原義は「日差しのある時 time of sunlight」。 広い意味では0時から24時までの24時間、狭い意味では日中を指す語。 daybreakは「夜明け dawn」でmiddayは「真昼 noon」。 today, yesterdayはそれぞれ「今日 * to 〜へ」と「昨日 * yester- 昨〜」。 dayの応用では前置詞が活躍します。 用例を6つ: for a few days 数日間 the day before yesterday 一昨日 in two days 二日で day after day 来る日も来る日も day by day 日毎に/の the day of her birth 彼女の生まれた日

month

(暦の)月の語源

地球の衛星moon(月)に-thがついた形。 1ヶ月を何日にするかはカレンダー作りの重要な要素。 先人が苦労を重ねてたどり着いたのは、太陽月(solar month ≠ 30日10時間29分)を基準とする太陽暦。 古代から中世へ、さまざまな人が関わった12ヶ月の英語名は興味深い逸話の宝庫。 1月をJanuaryとしたわけは? Marchはmarch(行進する)と関係があるのかないのか。 June brideはなぜ幸せ? Augustの意味は?— いろいろありそうですね。

hill

の語源

原義は「盛り上がったもの」で古英語(OE)では川の中の小島(islet in a river)を指して使われていました。 今は川から上がって「小さな山small mountain」に成長しています。 hillとmountainの境目はあいまいですが、300メートルくらいまでのものならhillと呼ばれるようです。 Beverly Hills(ビバリーヒルズ)やChurchill(チャーチル *丘の教会)など地名人名にも進出。 日本では「〜ヒルズ」が不動産業界を席巻しています。

Bulgaria

ブルガリアの語源

ブルガル族(の人)を意味するBulgar(原義:混ざった、混血した)にラテン語の地名接尾辞-iaが付いたもの。 もともとトルコ系の言語を話していたブルガル人ですが、この地に進出した7世紀以降、スラブ人種との混血が進み、現在のブルガリア語はすっかりスラブ化。 首都のSophia(ソフィア)の原義は「知恵」。 Bulgariaの起源についてはもう1つ、「ヴォルガ川(the Bolg=the Volga)から来た人たち」とする説もあります。

white

白(い)の語源

「善(goodness)」「純潔」「無実」「平和(peace)」など、対語のblack(黒)とは逆の連想が働く言葉。 色彩語(color words)と連想関係はさまざまですが、白についてはよいイメージで捉える文化が多いようです。 そうそう、wheat(小麦)の原義も「白い」です。 並べれば発音も近そうですね。 派生語はwhiten(白くする/なる)とwhiteness(白さ)。 用例を3つ: egg white 卵の白身 black-and white photos 白黒写真 My hair is whitening. 白髪が目立ちだした

bicycle

自転車の語源

cycle(周期 原義:円、輪)に「2つ」を意味するbi-の付いた形で短くbikeとも言います。 輪が2つあるから自転車で、bi-をuni-(1つ)、tri-(3つ)に代えてunicycle, tricycleとすればそれぞれ一輪車と三輪車となります。 motorcycleは電動自転車ではなく「バイク」のこと。 cyclingは「自転車を乗りまわすこと」あるいは「自転車競技」の意味。 日本語の「サイクリング」よりも守備範囲が広いので要注意ですね。

coach

長距離バスの語源

馬車作りで知られたハンガリーの町Kocsを語源とする語。 かつての「四輪馬車」が今は「長距離バス」になったのですね。 そのほか、「受験指導の家庭教師」「競技の技術指導員」などの意味で用いられます。 「家庭教師」の用法は大学スラング(university slang)に始まったもので、昔の個人教師が往来に馬車を愛用したことから生まれた呼び名。 「競技の技術指導員」はその延長線上に置かれる意味。

tea

の語源

中国語の「茶 te」から世界に広まった語。 世界中の茶は英語のteaやフランス語のthéのような「テ」型か、インドのchaiや日本語の茶のような「チャ」型のどちらかに集約されます。 英語圏でteaといえば紅茶のことですが、緑茶(green tea)や烏龍茶(oolong)と区別したいときはblack teaで。 afternoon teaはイギリス流「午後の紅茶」のことですね。 日本流「茶会(茶の湯)」はtea ceremonyと表現します。 茶園はtea gardenで。

chief

(集団や組織の)長の語源

「かしら」「チーフ」「族長」「上司」「頭目」など、所属する集団や組織によって呼び方はさまざまですね。 形容詞としては「最高の」「主要な」「重要な」などの意味。 ラテン語caput (頭)を起源とする語でchef(シェフ)、captain(キャプテン)、cabbage(キャベツ)など「頭」でつながる仲間は大勢。 用例を4つ: a section chief 課長 the chife of police 警察署長 an Indian chief インディアンの酋長 a chief cook=chef 料理長 

cook

コックの語源

起源はラテン語coquus (料理する)。 cookは職業としての料理人を指す語ですが、 ‘She is a good cook.’(彼女は料理上手だ)のような使い方もできます。 なお、chef(シェフ *chiefと同根)はレストランなどの料理長(chief cook)のこと。 動詞cook(料理する)に接尾辞-ery(〜の場所)を付けてcookeryとすれば「調理場」が出来上がります。 bake(焼く)→bakery(パン屋)と同じ関係ですね。 cuisine(特定の料理(法) 原義:台所)は関連語。

biscuit

ビスケットの語源

biscuitは古期フランス語由来の語で原義は「2度bis- 焼かれた-cuit」。 もとは軍隊用・航海用の保存食として作られた堅焼きパンのことですが、現在はscone(スコーン)の類もビスケットと呼ばれます。 -cuit(調理された)の起源はラテン語coquere (調理する)で、cook(調理する:コック)、cuisine(料理、調理法 原義:台所)、kitchen(台所)は同根語。 biscuitはイギリス英語で、アメリカではcookieと言います。

shirt

シャツの語源

原義は「裁断されたもの」。 派生語はshirty(怒った、不機嫌な)のみ。 人間、シャツを脱がされると怒るのかも。 skirt(スカート * 元はshirtの意味)、short(短い)は同根語。 発音もそっくりなら、意味も「短い」でつながる三つ子の姉妹。 T-shirt(Tシャツ)、polo shirt(ポロシャツ)、aloha shirt(アロハシャツ)— あなたの好みは? ちなみにワイシャツはwhite shirtが訛ったもの。 英語としては単に白いシャツの意味。 カッターシャツの正体は不明。

friend

の語源

原義は「最愛の dear」でfree(自由な)と同根。 親類など血縁者に向かう親愛の情が「友」「味方」「仲間」「恋人」にまで広がりました。 派生語はfriendly(友好的な)、friendship(親交、友情)、friendliness(親切)など。 friendlyにはeco-friendly(環境に優しい)、user-friendly(使いやすい)のような用法も。 余談ながら、トンガ王国(Kingdom of Tonga)の愛称はFriendly Islands(*island 島)。 1773年クック船長一行が受けた温かい歓迎が呼び名の起源のようです。

free

自由なの語源

原義は「親愛なる dear」で、周辺を探れば「愛する love」「妻 wife」「娘 daughter」さらには「友 friend」との繋がりまで浮かび上がってきます。 「さまざまな束縛から自由な」という意味で広く使われる語。 派生語はfreedom(自由)とfreely(自由に)。 -freeは「〜なしの」「〜を伴わない」を意味する使用頻度の高い複合表現。 用例を3つ: an alcohol-free party 酒類無しのパーティ a childfree couple 子供を持たない夫婦 a duty-free shop 免税店(*duty 関税)

skirt

スカートの語源

shirt(シャツ)と同根。 ドレス(dress)やローブ(robe)などの外衣の腰(waist)から下の部分を指す語。 下半身を被うのは有史以前からの人類の風習。 歴史を振り返れば男女の区別なくskirtを着用していたことが見て取れます。 skirtが機能重視の方向へ舵を切るのは19世紀後半頃になってのこと。 その後の展開は言うに及ばず。 近頃はskirt↔womanの固定観念が支配的な日本でもmen’s skirtなる言葉が勢力を広げつつあります。

rabbit

ウサギ(兎)の語源

原義は「子ウサギ」。 専門用語を別にすれば、ウサギを表す英語はrabbitとhare(野ウサギ)の2つ。 ペットとして飼育されるのはrabbitの方。 うっかり庭で放し飼いにすると穴だらけにされることも。 1859年、不用意に持ち込まれたわずか24匹のウサギが莫大な数にふくれ上がり、侵略外来種としてオーストラリアを悩まし続けているのは有名な話。 『種の起源』(C. Darwin, The Origines of Species)の出版は奇しくも同じ1859年。

Spain

スペインの語源

スペイン語での正式国名はローマ帝国の時代の呼び名Hispania(イスパニア)に由来するEspañaです。 語源には諸説ありますがもっとも有力なのはウサギ説。 かつて山野は兎であふれていたらしく、初期の入植者であるカルタゴ人がSzpan (兎の国)と呼んだのが始まりとか。 派生語はSpanish(スペインの、スペイン人/語(の))、Spaniard(スペイン住人)、Hispanic(ラテンアメリカ系の)。 スパニエル犬(spaniel)はスペイン原産の猟犬です。

dam

ダムの語源

オランダ語(Dutch)でbarrier(せき止めるもの)を意味するdam由来の語。 堰堤(えんてい)、堰(せき)とも呼ばれます。 ダムは土砂が堆積して生じるnatural dam(天然ダム)やbeaver dam(ビーバーダム)除けばすべて人が造った物。 オランダ(the Netherlands)の都市AmsterdamとRotterdamの原義はそれぞれ「アムステル川の堤防」「ロッテ川の堤防」。 治水のために造られたダムの周辺に人が集まり住み、オランダを代表する大都市へと成長しました。

sport

スポーツの語源

「スポーツ=運動」と短絡すると大切なものが見えなくなります。 sportはdisport(楽しむ、気晴らしをする)の頭が取れた語。 disportの原義は「dis-(離れた場所に)(自分を)port(運ぶ)」— つまり、元来の意味は「喧噪から離れて気晴らしをする」ことだったのです。 その気分はスポーツのプロ化が始まった20世紀以降次第に忘れられていきました。 現在のオリンピック(the Olympics)はその究極の姿なのかも知れません。

glove

手袋の語源

ゴート語(Gothic)起源で-loveは「手のひらpalm」の意味。 gloveは親指(thumb)と4本の指(finger)がそれぞれ鞘(sheath)状に仕切られた手袋。 4本の指が仕切られていないものはmittenです。 ボクシング用の手袋は内部に仕切りがありませんがこちらはgloveで。 派生語gloverは「手袋製造業者」「手袋商」のこと。 長崎グラバー邸で知られる英商人の名もT. Glover(1838-1911)。 先祖はいざ知らず、彼自身が扱った商品に手袋は含まれていなかったかも。

adult

成長した動植物の語源

成長したものなら何でもadultで間に合いそう。 adult person, adult dog, adult fish, adult insectなら「成人」「成犬」「成魚」「成虫」でOK。 では、adult treeやadult plantはどう訳す? 「成木」はありますがadult plantは… 「成長した植物」と言うよりなさそうですね。 応用問題— 「幼魚」や「幼木」は英語で? 固有の言い方は別として一般の会話ではyoungが便利。 young person/dog/fish/insect/tree/plantと「若い」「幼い」はたいていyoungで間に合います。

house

の語源

house(英語)、huis (オランダ語)、Haus(独)はsibling(きょうだい)です。 Huis Ten Bosch— そう、佐世保市にあるハウステンボスで意味は「森(bosch)の家」。 南アフリカに渡ったboschは密航よろしくさらに海を渡り、今やbushman(奥地の住人)、bushfire(森林火災)と立派なオーストラリア英語に成長し日々大忙し。 犬(hound)-hond(蘭)-Hund(独)、石(stone)-steen(蘭)- Stein(独)と、英蘭独の連携は未だ健在。 ゲルマン一族の絆もなかなかのものです。

face

の語源

原義は「形 form」「姿 appearance」「顔」。 一大ファミリーを形成するラテン語facere (=make 作る)につながる語で、factory(工場 原義:作る場所)やfact(事実 原義:なされたこと)、fit(ぴったりの 原義:適切になされた)などはみな関連語。 確かにfaceは内の心が外に表れたもの。 とは言え、作り顔を得意とする人はこの世にごまんと。 相手のfacial expression(顔の表情)に惑わされないようご用心。

moon

の語源

地球の衛星(the satellite of the earth)であり、人類が初めて足を下ろした星でもあります。 振り返れば1969年7月20日のこと。 「何用あって月世界へ」という山本夏彦の寸言が浮かぶも、今はその気になれば宇宙に飛び出せる時代。 関連語の代表はmoonに名詞化語尾の-thがついたmonth(暦の月)と「月の日」を意味するMonday(月曜日)。 月光(moonlight)、満月(full moon)、半月(half-moon)、新月(new moon)— どこか懐かしさが伝わる言葉。

Christmas

クリスマスの語源

キリスト(Christ)の祭(-mas=festival)の意味。 キリスト降誕祭、聖誕祭などと訳されます。 日本で初めてChristmasを行ったのはイエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエル、戦国時代の真っ只中、1552(天文21)年のことでした。 tree(ツリー)、cake(ケーキ)、card(カード)、eve(前夜)、gift(贈り物)、holiday(休日)、white(白い)、song(歌)— Christmasが思い出させてくれるものにはどこかほっとさせるものが多いですね。

bay

の語源

湾を意味する主な語はbay(原義:港?) 、cove(原義:小部屋 chamber)、gulf(原義:胸 bosom)の3つ。 大きさに明確な基準があるわけではありませんが、bayを平均的な湾とすればcove(入江)が小湾でgulfが大湾のイメージ。 世界的に有名なgulfとしてはthe Gulfと略称されるペルシャ湾(Persian Gulf)やメキシコ湾(the Gulf of Mexico)が挙げられます。 the Gulf Streamとすれば世界最大の海流として知られるメキシコ湾流のこと。

knife

ナイフの語源

物を切るための小型の道具で刃(blade)と柄(handle)を備えたもの、例えば小刀、短剣などをknifeと言います。 日本刀のように長い刀身を持つものはknifeではなくsword(剣)です。 ところで、かつてはゲルマン一族で共有されていたkn音、英語は面倒なk音と縁を切って今は発音しなくなりました。 身近な語を9つ:knee ひざ knuckle こぶし knight 騎士 knit 編む knob 取っ手 knock たたく knot 結び目 know 知っている knowledge 知識

cold

寒いの語源

cold morning(寒い朝)、cold bath(冷水浴)、cold front(寒冷前線)、cold reply(つれない返事)など用途多彩。 「風邪」の意味ではchest cold(せきの出る風邪)やhead cold(鼻風邪)、catch cold(風邪を引く)などの形で用いられます。 よく似た意味のchilly(うすら寒い)、cool(涼しい)、gelid(極寒の)は同根語。 使い分けられると便利です。 jelly(ゼリー)、gelatin(ゼラチン)は関連語。 イタリア式アイスクリームのgelatoも仲間。

afternoon

午後の語源

文字通り「正午noonの後after」。 午後を区分する明確な定めはありませんがearly afternoonは午後3時あたりまで、late afternoonは3時あたりから夕べ(evening)の前の5時あたりまでと考えてよいでしょう。 noonはラテン語nona (日の出から9時間目)を起源とする語。 日の出を6時とすればその9時間後は午後3時。 これがnoonの元の意味でしたが後に3時間前倒しされていつの間にか「正午」の意味に。 その理由は不明。

head

頭部の語源

headは、首(neck)から上全体を指すという点で、日本語の「頭」とはやや異なります。 behead(打ち首にする 原義:headを取り去る)はその微妙な違いをよく示しています。 headはまた、headland(岬)、headline(新聞などの見出し)、head office(本社)、headquarters(司令部)、riverhead(川の水源)、headword(見出し語)など、物事の先端部分を指しても広く応用されます。 「額」「後頭部」はそれぞれ、forehead(* fore- 前部の)、the back of the headで。

dragon

の語源

dragonはギリシア語drakon(蛇 serpent)から英語にたどり着いた語。 竜はもちろん仮想の生き物ですが、神話伝説では花形的存在です。 Harry Potterシリーズの脇役Draco Malfoy、実在の人物ではエリザベス1世から騎士(knight)の称号を与えられた海賊Captain Drake— DracoもDrakeも蛇の目を持つ竜の化身です。 化身と言えばトンボもそうかも。 トンボは英語でdragonflyですが、「飛ぶ棒」と「飛ぶ蛇」では想像の世界もがらりと変わります。

butterfly

の語源

蝶とバター(butter)の関係は?— 「バター状のものを排泄する」とか「バターを盗む」「牛乳泥棒」といった伝承はありますが結局のところ真偽は不明。 黄色い蝶の羽根とbutterがつながっただけの単純な理由では、とつい思いたくなります。 もう1つ質問。cabbage whiteは何蝶? ヒント:幼虫は大のキャベツ好きでその名もcabbageworm— もうおわかりですね。答はモンシロチョウ。幼虫の日本語名は青虫。

Japan

日本の語源

中国語「jih(日)pung(本)」由来の語。 古くは「やまと(大和/倭)」と呼ばれていましたね。 漢委奴国王印(=金印)にも委(=倭わ↔和)とあります。 Japanese(日本人、日本語:日本の)はJapanに「〜語(の)」「〜人(の)」を意味する接尾辞-eseの付いた形。 Japanese culture/diet(日本文化/日本食)やEnglish-Japanese/Japanese-English dictionary(英和/和英辞典)と使い方は簡単。 japanとjを小文字にすれば日本が世界に誇る「漆器」のこと。

flower

の語源

flowerはもとの綴りはflourです。 そう、「穀粉」とくに「小麦粉」を指して使われるあのflourです。 粉と花を区別するためにuをweに綴り変えたもので、原義(=最良部分)も発音も同じです。 flora(植物相)、floral(花の)、florescent(花開いた)、florist(花屋)、flourish(栄える)、Florence(フィレンツェ 原義:花盛りの)、Florida(フロリダ 原義:花)— 改めて見れば、「花」の関連語はほとんどwなしですね。

happy

うれしいの語源

happyとhappenは同胞、親はhap(偶然の出来事 原義:幸運)— これが見えればあなたの英語世界は既にして融通無碍。 幸運が多い(-y)からhappy(幸せな)、偶然現れる(-en)ならhappen(起こる) happening(出来事)、偶然まかせ(per-)だからperhaps(ひょっとすると)と、これでhapの世界が画然と広がります。 親のhapは子供達を残したまま自身は休眠中。人生の禍福(haps and mishaps of life)と言いますがmishap(災難)の方はできれば…。

gang

ギャングの語源

gangの原義は、行くこと(going)あるいは旅(journey)。 道(way)→道行く人や動物の群れ→集団と旅を続けたgangがたどり着いた先は犯罪集団(criminal gang)。 とは言えgangの基本は「群れ」にありますから、ギャングから離れて、例えばa gang of antsやa gang of childrenというふうにアリや子供を群れにしてもOKです。 ギャングの構成員一人一人は接尾辞-ster(〜に関係のある人)をつけてgangster(暴力団員)で表します。

family

家族の語源

familyの原義は召使い(servant)— ご存じでしたか。 familyは今でこそ両親(parents)と子供(children)の同居集団と説明されますが、かつては家長以下その家の同居人全てを指す言葉でした。 生物分類上の「科」をfamilyと呼ぶのはこの流れに沿ったものです。 ナス科(the potato family)を例に取るなら、ジャガイモ(potato)、ナス(eggplant)、トマト(tomato)、トウガラシ(chili pepper)と、多彩な家族構成は思わず笑みがこぼれるほど。

home

家庭の語源

my homeとmy house— 訳し分けるとすれば「わが家」と「私の家」でしょうか。 微妙ですが、houseは建物としての家、homeは住む人を意識する語と捉えれば分かりやすいかも。 例えば「帰郷」「同窓会」はhomecomingと言いますが、このhomeをhouseに替えることは出来ません。 hamlet(小村)やBirmingham, Nottinghamなどの地名に残るham(村落)はhomeの古い形。 いずれも人の息づかいを感じさせると言えば言い過ぎでしょうか。

helicopter

ヘリコプターの語源

19世紀末の造語で元はフランス語。 helico-は「渦巻き状にくるくる回転する」という意味で、派生語はhelical (らせん状の)。 では、pterの意味は? 翼 (wing)と即座に答えられる人はことばの達人です。 そう、ヘリコプターとは通常の飛行機にあるはずの固定翼を持たない乗物(vehicle)のこと。 くるくるまわる回転翼だけで空中を飛び回るからhelicopterとは言い得て妙、名付け親もまたことばの達人(a man of words)だったようです。

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「英語大百科」では、「ヨーロッパ言語共通参照枠」(通称CEFR)の6段階区分に準じて作成した基準表に従ってC2~A1の記号で表しています。

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