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カテゴリー:People(人々)の最新の単語

英語大百科で英語の楽しさを発見
alien

外国人の語源

「外国の」の形容詞用法も。 原義は「別な人・場所の」。 SFホラー映画『エイリアン』(Alien, 1979)以降、日本では「人を襲う怪奇な異星人」という印象が定着しましたが、基本用法はforeign(外国の)およびforeigner(外国人)に同じ。 foreignとの違いはalienable(財産や権利などを譲渡できる)やalien registration card(外国人登録証明書)など法律用語として使われる点。 派生語はalienate(遠ざける、疎外する、譲渡する)、alienation(疎外、仲たがい)。

chief

(集団や組織の)長の語源

「かしら」「チーフ」「族長」「上司」「頭目」など、所属する集団や組織によって呼び方はさまざまですね。 形容詞としては「最高の」「主要な」「重要な」などの意味。 ラテン語caput (頭)を起源とする語でchef(シェフ)、captain(キャプテン)、cabbage(キャベツ)など「頭」でつながる仲間は大勢。 用例を4つ: a section chief 課長 the chife of police 警察署長 an Indian chief インディアンの酋長 a chief cook=chef 料理長 

cook

コックの語源

起源はラテン語coquus (料理する)。 cookは職業としての料理人を指す語ですが、 ‘She is a good cook.’(彼女は料理上手だ)のような使い方もできます。 なお、chef(シェフ *chiefと同根)はレストランなどの料理長(chief cook)のこと。 動詞cook(料理する)に接尾辞-ery(〜の場所)を付けてcookeryとすれば「調理場」が出来上がります。 bake(焼く)→bakery(パン屋)と同じ関係ですね。 cuisine(特定の料理(法) 原義:台所)は関連語。

twin

双子の一方の語源

原義は「二倍の、二重の twofold, double」で、twice(2度)やtwig(小枝 原義:二股に分かれたもの)は関連語。 双子の一方を指す語で二人揃っていればtwinsです。 三つ子以上はそれぞれtriplets, quadruplets, …と続きますが使う機会はそれほど多くないようです。 そんな中、南アフリカ(South Africa)でdecaplet(10つ子=どう読むのかわかりません)が生まれたそうです。 2021年のことで、ギネス世界記録(Guinness World Record)として認定されました。

policeman

警官の語源

policeman生みの親のpolice(警察)はラテン語politia(国家)を起源とする語で、管理治安に関わるpolicy(政策)やpolity(政治形態)は関連語。 1829年初出のpoliceman(警察官)は、男性(man)を連想させることから近年ではpolice officerと中性化されています(neutral)。 ほかにもchairperson(議長)やbusinessperson(実業家)など、男女を意識させない表現は増えています。 意外な感を受けますが、policewoman(女性警官)は早くも1853年に登場。

merchant

商人の語源

ラテン語mercari (商売する)起源のmerch-に-ant(〜する人)が加わった形で、代表的関連語としてはmarket(市場)とmerchandise(=goods 商品)が挙げられます。 これらの語はローマ神話における商業神Mercury(ギリシア神話ではHermes)とも繋がってます。 商業学校の校章に2匹の蛇が絡まった翼の杖の図案を用いるのは、伝令神でもあったMercuryがこの杖を携えて世界を飛び回り活躍したことにあやかったもの。

friend

の語源

原義は「最愛の dear」でfree(自由な)と同根。 親類など血縁者に向かう親愛の情が「友」「味方」「仲間」「恋人」にまで広がりました。 派生語はfriendly(友好的な)、friendship(親交、友情)、friendliness(親切)など。 friendlyにはeco-friendly(環境に優しい)、user-friendly(使いやすい)のような用法も。 余談ながら、トンガ王国(Kingdom of Tonga)の愛称はFriendly Islands(*island 島)。 1773年クック船長一行が受けた温かい歓迎が呼び名の起源のようです。

athlete

運動選手の語源

ギリシア語起源で原義は「athlon(賞)を争う人」。 古代ギリシア・ローマ時代には公開試合の出場者(contestant)を指す言葉でした。 athletic(活発で丈夫な、運動選手の)をathleticsとすれば「運動競技」の意味。 また、biathlon(二種競技)のbi-(2)をtri-(3)、penta-(5)、deca-(10)に入れ替えればそれぞれ「三種競技」「五種競技」「十種競技」となります。 athlete’s footは「水虫」のこと。 間違っても靴屋の宣伝文句にしてはいけません。

adult

成長した動植物の語源

成長したものなら何でもadultで間に合いそう。 adult person, adult dog, adult fish, adult insectなら「成人」「成犬」「成魚」「成虫」でOK。 では、adult treeやadult plantはどう訳す? 「成木」はありますがadult plantは… 「成長した植物」と言うよりなさそうですね。 応用問題— 「幼魚」や「幼木」は英語で? 固有の言い方は別として一般の会話ではyoungが便利。 young person/dog/fish/insect/tree/plantと「若い」「幼い」はたいていyoungで間に合います。

servant

使用人の語源

servantは仕える(serve)人(-ant)という組み立て。 そのserveは奴隷(slave)を意味するラテン語servus由来の語。 servantが神(God)や主人(master)に仕える「しもべ」「下僕」「召使い」などと訳されてきた所以です。 公僕(public servant)は国と地方を問わず全ての公務員を指す言葉ですが、「僕」の謙虚さを漂わせる国会議員や官僚は多くないような。 選挙中はservant、当選すればくるりと背を向けmasterに早変わりでは何とも…。

billionaire

億万長者の語源

billion(10億)に接尾辞-aire(〜を有する人)が付いた形。 millionaire(百万長者)にならって造られた語です。 1970年代頃まではもっぱらmillionaireの時代で、billionaireがどこにいるのか気にする人はほとんどいなかったように思います。 それが今ではmillionaireでは間に合わなくなり、登場するのはbillionaireばかりとなりました。 次はbillionaireが退場して、兆万長者(trillionaire)が当たり前という時代になるのでしょうか。いやはや。

parent

の語源

親、すなわち父または母のことですね。 ラテン語parere (生む)が起源。 これに「〜する人」を意味する-entが付いた形。 比喩的に「元祖」の意味でも使われます。 派生語はparental(親としての)。 関連語はappear(出現する)、prepare(準備する)、pare(〜の皮をむく)など。 「生む」との繋がりを感じさせますね。 parentalの用例を3つ:parental responsibility 親としての責任 parental feelings 親心 parental consent 親の同意

enemy

の語源

enemyにはfriend(友人)が隠れています。 「えっ、何のこと?」ですね。 実はen-(=in-)はnotで-emyはラテン語起源で「友」の意味。 併せれば「敵=友人ではない」の図式が完成します。 The enemy of my enemy is my friend. (わが敵の敵はわが友)はenemyを使った数少ない諺(ことわざ)。 派生語はenmity(敵意)、inimical(敵意のある)で、関連語はamiable(愛想のよい)、amicable(友好的な)— 敵味方入り乱れて大乱戦と言ったところ。

magician

マジシャンの語源

魔術師の古い呼び名magiから生まれた語で、「magic(魔法、手品)に精通する人」という意味。 超自然現象に結びつけられていた時代のmagicianは「魔法使い」、今の呼び名は「手品師/奇術師」ですね。 日本語のマジシャンはもっぱら後者。 なお、魔法使いはwizard(男)、witch(女)と男女で呼び分けがあります。 参考:The Wizard of Oz 米映画「オズの魔法使い」(1939)  witch-hunt (ヨーロッパ中世の)魔女狩り

designer

デザイナーの語源

designerはdesign(設計/立案する:設計図)から作られた名詞でdesignの原義は「下に(de-)印をつける」。 よく見るとsign(しるし:署名する)が潜んでいますね。 designerは広く「設計者」「立案者」を指す語で、いわゆる「デザイナー」はその用法の1つ。 designerを頭に付けてdesigner watch/jeansとすれば「ブランド物の時計/ジーンズ」の意味。 本物かどうかsignature(署名)の確認を怠りなく。

farmer

農場経営者の語源

「農夫」「農民」などの訳語もありますが、たいていは「農場(farm)を所有あるいは経営する人」を指して使われます。 動詞farmは「耕す」「栽培する」といった意味ですから、chicken farmer, fruit farmer, pig farmer, oyster farmerはそれぞれ「養鶏業者」「果実栽培業者」「養豚業者」「カキの養殖業者」でOK。 landed farmer(自作農 *landed 土地を持つ)、tenant farmer(小作農 *tenant 賃借人)の組み立ても簡単ですね。

bilingual

バイリンガルの語源

「bi- 2つ」+「lingual 舌の」と分解できる語で、二つの言語を自由に話す人を指して用いられます。 日本ではあこがれの対象と見なされがちですが世界にはbilingualどころか、trilingual (3言語話者 *tri-=3)もごろごろ。 4言語以上を操るmultilingual (多言語話者 *multi=many)も珍しくありません。 EU(=the European Union ヨーロッパ連合)は、「ヨーロッパ言語の年」制定(2001年)以来、「母語(mother tongue)+2言語」の習得に挑戦しています。

barber

床屋の語源

barberの原義は「あごひげ(barb)を剃る人」— 日本語の「床屋」からは見えない意味。 barb(とげ、剛毛)は「あごひげ」の意味を失いましたが、元を正せばbeard(あごひげ)と同根。 barberが男子理髪店なのもうなずけますね。 hairdresserはbarberの意味でも用いられますが、どちらかと言えば女性相手の美容師を指すようです。 有刺鉄線↔barbed wireの関係もどこか荒っぽくて男性的なような。 * barbed とげを持った

gang

ギャングの語源

gangの原義は、行くこと(going)あるいは旅(journey)。 道(way)→道行く人や動物の群れ→集団と旅を続けたgangがたどり着いた先は犯罪集団(criminal gang)。 とは言えgangの基本は「群れ」にありますから、ギャングから離れて、例えばa gang of antsやa gang of childrenというふうにアリや子供を群れにしてもOKです。 ギャングの構成員一人一人は接尾辞-ster(〜に関係のある人)をつけてgangster(暴力団員)で表します。

family

家族の語源

familyの原義は召使い(servant)— ご存じでしたか。 familyは今でこそ両親(parents)と子供(children)の同居集団と説明されますが、かつては家長以下その家の同居人全てを指す言葉でした。 生物分類上の「科」をfamilyと呼ぶのはこの流れに沿ったものです。 ナス科(the potato family)を例に取るなら、ジャガイモ(potato)、ナス(eggplant)、トマト(tomato)、トウガラシ(chili pepper)と、多彩な家族構成は思わず笑みがこぼれるほど。

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山田雄一郎|英語大百科監修者
ナビ1号山田 雄一郎

広島大学教育学部大学院修士課程修了。もと広島修道大学教授。主な著作:「言語政策としての英語教育」(渓水社)、「英語教育はなぜ間違うのか」(筑摩書房)、「日本の英語教育」(岩波書店)、「外来語の社会学」(春風社)、「英語力とは何か」(大修館書店)、「小学生からの英語絵辞典」(研究社)、「英単語QUEST 2000」(学研プラス)

佐伯一行|英語大百科監修者
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英語能力テスト開発研究所(IQELT)代表。京都外国語大学専攻科修了。中学校英語教師、学習塾経営、日本英語検定協会顧問、大学非常勤講師、東京書籍顧問、IELTS公式テストセンター顧問を歴任。英語に関する各種研究会の企画運営を通して英語教育界に広く知己を得る。米国、イギリス、フィンランド、シンガポール、中国、韓国などでの学会や研究会への参加を重ねる。