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costume

服装の語源

custom(慣習)と双子の関係にある言葉。 outfit, dress, clothingなど衣類を意味する語はたくさんありますが、costumeは単なる服装ではなくある時代や国民、社会階級、地方に特徴的な服装を指す語。 the women’s costume of the Meiji era(明治時代の女性の服装)、dancing costume(ダンス服)、costume party(仮装パーティ)のように使います。 一時よく耳にしたコスプレという言葉はcostume play(時代劇つまり扮装劇)をもじったもの。

robe

ローブの語源

「官服」「礼服」「部屋着」などと訳されます。 原義は「略奪品 booty」。 robber(強盗)の仕業ですね。 上等な衣類がrob(強奪する)の対象になる時代だったのでしょう。 それにしてもrobやrobberがrobeの派生語とは…。 ヒントは関連語wardrobe(衣装だんす)にあります。 wardrobeの原義は「衣類robeを守るward=guard」。 wardrobeが上流階級の持ち物であり、守るにふさわしい貴重品の、言わば収納庫。 bathrobe(バスローブ)すら持たない庶民には無縁の世界ですね。

helmet

ヘルメットの語源

詩などで用いられる古語helm (兜)に接尾辞-et(小さな)が付いた形。 元来は戦時の兜を指す語でしたが、今では平時の利用が拡大。 単にhelmetで間に合わせる場合もありますが、combat helmet(戦闘用〜)、bicycle helmet(自転車用〜)、football helmet(フットボール用〜)と必要に応じて柔軟に。 hard hatまたはsafety helmetとすれば主に建設現場作業員や自転車乗りが利用する安全帽。 hell(地獄)やhull(外皮)は原義「隠す」「覆う」で通底する関連語。

jacket

上着の語源

jacketは中世ヨーロッパの兵卒の着衣を指す古いフランス語jaquet から英語に入った語。 現在は単に「上着」を指す語で、しばしばcoat(上着)と同義に使われます。 life jacket(救命胴着)やdown jacket(ダウンのジャケット)は日本語でも使われますね。 potatoes cooked in their jackets(皮つきで調理されたジャガイモ)、record jacket(レコードのジャケット)、book jacket(本のカバー)など、jacketはなかなかの働き者。

underwear

下着類の語源

「下にunder- 着るもの-wear」—文字通り、下着ですね。 通例、複数形にせずに集合的、つまりundershirt(シャツ)、underpants(パンツ *英では単にpants)、drawers(ズボン下、ズロース)、lingerie(女性用下着)などをまとめて言う場合に用います。 underclothingでもOK。 ちなみに、下着類の上に着用するものはouterwearで。 用例を3つ: gent’s underwear 紳士用下着 thermal underwear 防寒下着 a change of underwear 下着の替え *thermal 保温用の change 着替え

shirt

シャツの語源

原義は「裁断されたもの」。 派生語はshirty(怒った、不機嫌な)のみ。 人間、シャツを脱がされると怒るのかも。 skirt(スカート * 元はshirtの意味)、short(短い)は同根語。 発音もそっくりなら、意味も「短い」でつながる三つ子の姉妹。 T-shirt(Tシャツ)、polo shirt(ポロシャツ)、aloha shirt(アロハシャツ)— あなたの好みは? ちなみにワイシャツはwhite shirtが訛ったもの。 英語としては単に白いシャツの意味。 カッターシャツの正体は不明。

hat

帽子の語源

原義は「頭を被うもの」でhood(ずきん)は関連語。 縁(brim)と山(crown)がある点でcap(縁なし帽)やberet(ベレー帽)などと区別されます。 日本では明治4(1871)年の散髪脱刀令(=断髪令)以降、徐々に西洋帽子が流行。 驚くことに断髪令の翌年には麦わら帽子(straw hat)の製造が始まっています。 礼装は高いcrownを持つシルクハット(top hat)で略装は頭の丸い山高帽(bowler hat)— 明治から大正にかけての風景です。 bowlerは当時の製造業者の名から。

vest

チョッキの語源

語源はラテン語vestis(衣類 clothing)でwear(身に付けている)は同根語。 「衣服を着る/着せる clothe」の意味で動詞としても用いられます。 派生語はvestment(式服、礼服、法衣)。 divest(脱がす、権利や肩書き、財産などを剥奪する *di-=dis- 奪う)、invest(投資する *in- 中に)、revest(復職/復権させる *re- 再び)はvestの着脱から連想された関連語。 vestの用例を3つ: a down vest ダウンのチョッキ a bulletproof vest 防弾チョッキ a fishing vest 釣り用ベスト

skirt

スカートの語源

shirt(シャツ)と同根。 ドレス(dress)やローブ(robe)などの外衣の腰(waist)から下の部分を指す語。 下半身を被うのは有史以前からの人類の風習。 歴史を振り返れば男女の区別なくskirtを着用していたことが見て取れます。 skirtが機能重視の方向へ舵を切るのは19世紀後半頃になってのこと。 その後の展開は言うに及ばず。 近頃はskirt↔womanの固定観念が支配的な日本でもmen’s skirtなる言葉が勢力を広げつつあります。

cap

帽子の語源

cap(野球帽やビンなどのふた)は「フード付きマント」を意味するcapeと同根。 元締めはラテン語caput (頭)。 cap-の形をchap-, chief, cab-, cat-などに変化させ、思いも掛けない姿になって登場します。 chief(主要な)、chef(シェフ)、captain(キャプテン)、cape(=headland 岬)、cabbage(キャベツ 原義:頭)、capital(首都)、chapel(礼拝堂)、cattle(牛)、chapter(本などの章 原義:小さな頭)、caprice(気まぐれ 原義:毛を逆立てた頭)— まだまだありますよ。

glove

手袋の語源

ゴート語(Gothic)起源で-loveは「手のひらpalm」の意味。 gloveは親指(thumb)と4本の指(finger)がそれぞれ鞘(sheath)状に仕切られた手袋。 4本の指が仕切られていないものはmittenです。 ボクシング用の手袋は内部に仕切りがありませんがこちらはgloveで。 派生語gloverは「手袋製造業者」「手袋商」のこと。 長崎グラバー邸で知られる英商人の名もT. Glover(1838-1911)。 先祖はいざ知らず、彼自身が扱った商品に手袋は含まれていなかったかも。

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山田雄一郎|英語大百科監修者
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広島大学教育学部大学院修士課程修了。もと広島修道大学教授。主な著作:「言語政策としての英語教育」(渓水社)、「英語教育はなぜ間違うのか」(筑摩書房)、「日本の英語教育」(岩波書店)、「外来語の社会学」(春風社)、「英語力とは何か」(大修館書店)、「小学生からの英語絵辞典」(研究社)、「英単語QUEST 2000」(学研プラス)

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英語能力テスト開発研究所(IQELT)代表。京都外国語大学専攻科修了。中学校英語教師、学習塾経営、日本英語検定協会顧問、大学非常勤講師、東京書籍顧問、IELTS公式テストセンター顧問を歴任。英語に関する各種研究会の企画運営を通して英語教育界に広く知己を得る。米国、イギリス、フィンランド、シンガポール、中国、韓国などでの学会や研究会への参加を重ねる。