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カテゴリー:Place Names(地名)の最新の単語

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Indonesia

インドネシアの語源

国名の意味は「Indo-インドの-nes-島々の-ia国」。 第二次世界大戦後の1948年に独立。 日本の約2倍にあたる1万3千以上の島々から成る世界最大の群島国家(archipelagic state)。 首都ジャカルタ(Jakarta)は「勝利の土地」という意味。 Indonesia以外で-nesia(島が沢山集まった地域)の呼称を持つ地域はMelanesia(メラネシア)、Micronesia(ミクロネシア)、Polynesia(ポリネシア)とその総称Austronesia(オーストロネシア)のみ。

India

インドの語源

元の形はギリシア語由来の古名Sindhuで原義は「インダス川 the Indusの国」。 頭のs音はペルシャ語の影響でhとなり、16世紀初頭hindu(インド人、インドの)の形でポルトガル語に。 ポルトガル語はフランス語同様hが無音化するため、やがてhは綴り字からも消え現在に至りました。 Hindu(ヒンドゥー教徒、インド人)やHinduism(ヒンドゥー教)は今もh付きですね。 語末の-iaはBolivia(ボリビア)やBulgaria(ブルガリア)などにも使われている地名接尾辞。

Bulgaria

ブルガリアの語源

ブルガル族(の人)を意味するBulgar(原義:混ざった、混血した)にラテン語の地名接尾辞-iaが付いたもの。 もともとトルコ系の言語を話していたブルガル人ですが、この地に進出した7世紀以降、スラブ人種との混血が進み、現在のブルガリア語はすっかりスラブ化。 首都のSophia(ソフィア)の原義は「知恵」。 Bulgariaの起源についてはもう1つ、「ヴォルガ川(the Bolg=the Volga)から来た人たち」とする説もあります。

Austria

オーストリアの語源

Austriaは古いドイツ語でÖsterreich— その意味はeastern realm(東方のöster領土reich)。 オーストリアと聞くと作曲家のモーツァルト(W. Mozart 1756-91)と彼の生誕地ザルツブルク(Salzburg 原義:塩の町)、首都ウイーン(Wien)を代表する名所シェーンブルン(Schönbrunn 原義:美しい泉)宮殿、フランス革命(the French Revolution)で命を落としたマリー・アントワネット(1755-93)とその母で女帝のマリア・テレジア(1717-80)らの面影が浮かんできます。

Beograd

ベオグラードの語源

セルビア共和国(旧ユーゴスラビア)の首都。 「白いbeo- 町-grad」の意味。 紀元前1世紀にローマ支配下に。 5世紀になってフン族が襲来、町は壊滅。 7世紀に入るとスラブ民族(the Slavs)の入植が始まり町は再建に向かう。 地名もスラブ名のベオグラードに。 戦略的要衝であったことから、その後もさまざまな国の干渉や支配が続きました。 セルビアとして独立したのは足かけ5年にわたるクロアチア紛争(1991-95)を経た2006年のこと。

Volgograd

ヴォルゴグラードの語源

ロシア連邦の都市で旧名はスターリングラード(Stalingrad)。 ロシア語-gradは「城塞都市」の意味でyard(庭 原義:囲われた土地)の関連語。 ヨーロッパ最長の川ボルガ (the Volga )の西岸に位置するVolgogradの意味は文字通り「ボルガの町」。 セルビア共和国の首都ベオグラード(Beograd 原義:白い町)やサンクトペテルブルクの旧名レニングラード(Leningrad 原義:レーニンの町)などは同類の地名。 V. Lenin(1870-1924)はロシア革命の指導者。

Australia

オーストラリアの語源

南半球に巨大大陸の存在を想定しTerra Australis Incognita(未知の南方大陸) と名付けたのはギリシアの地理学者プトレマイオス(Ptolemy c.83-c.168)。 それから1500年、Torres(c.1565-?)、Tasman(1603-59)、Cook(1728-79)らが次々と未知の大陸に挑戦。 1801年、英国のFlinders(1774-1814)がようやく一周航海に成功、ついに巨大大陸の全容が見えてきました。 1828年、大陸はイギリスの支配下におかれ、その名もプトレマイオスゆかりのAustraliaに。

Spain

スペインの語源

スペイン語での正式国名はローマ帝国の時代の呼び名Hispania(イスパニア)に由来するEspañaです。 語源には諸説ありますがもっとも有力なのはウサギ説。 かつて山野は兎であふれていたらしく、初期の入植者であるカルタゴ人がSzpan (兎の国)と呼んだのが始まりとか。 派生語はSpanish(スペインの、スペイン人/語(の))、Spaniard(スペイン住人)、Hispanic(ラテンアメリカ系の)。 スパニエル犬(spaniel)はスペイン原産の猟犬です。

New York

ニューヨークの語源

最初の呼び名はNew Amsterdam(ニューアムステルダム)。 名付け親は1614年にManhattanに入植したオランダ人たち。 その50年後の1664年、町を征服したイギリス人によって当時の英国王に献呈する形でNew Yorkと改名されました。 今は州名を兼ねていますね。 州の俗称はEmpire State(帝国州)でEmpire State Buildingはそれを象徴する建物。 New York City(ニューヨーク市)をThe Big Appleの愛称(nickname)で呼び始めたのは1920年代頃から。

Argentina

アルゼンチンの語源

Argentinaはラテン語argentum (銀)に由来する名称。 この国名、実は16世紀に端を発した銀山伝説(the silver mountains legend)やスペイン語で「銀の川」を意味するラプラタ川(the Rio de la Plata *plata=silver)にあおられたもの。 のちに伝説の山の正体は現ボリビア領のポトシ銀山と判明。 英語による公式国名はArgentine Republic(アルゼンチン共和国)で、首都(capital)はブエノスアイレス(Buenos Aires *=good air)。 そうそう、銀の元素記号はAgでしたね。

Japan

日本の語源

中国語「jih(日)pung(本)」由来の語。 古くは「やまと(大和/倭)」と呼ばれていましたね。 漢委奴国王印(=金印)にも委(=倭わ↔和)とあります。 Japanese(日本人、日本語:日本の)はJapanに「〜語(の)」「〜人(の)」を意味する接尾辞-eseの付いた形。 Japanese culture/diet(日本文化/日本食)やEnglish-Japanese/Japanese-English dictionary(英和/和英辞典)と使い方は簡単。 japanとjを小文字にすれば日本が世界に誇る「漆器」のこと。

Greenland

グリーンランドの語源

発見者は命名者でもあるノルウェー(Norway)生まれのヴァイキング(Viking)「赤髭のエリック Erik the Red」。 殺人罪で故国を追放されていた982年、探検の途上に発見し、緑の少ない氷の島を少しでも魅力的にと選んだ名。 1721年デンマーク領となり、1979年以降は自治領として半独立した世界最大の島(island)。 なお、島と大陸(continent)の間に明確な区別はなく、世界最小の大陸Australiaより小さいものは全て島。

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山田雄一郎|英語大百科監修者
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広島大学教育学部大学院修士課程修了。もと広島修道大学教授。主な著作:「言語政策としての英語教育」(渓水社)、「英語教育はなぜ間違うのか」(筑摩書房)、「日本の英語教育」(岩波書店)、「外来語の社会学」(春風社)、「英語力とは何か」(大修館書店)、「小学生からの英語絵辞典」(研究社)、「英単語QUEST 2000」(学研プラス)

佐伯一行|英語大百科監修者
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英語能力テスト開発研究所(IQELT)代表。京都外国語大学専攻科修了。中学校英語教師、学習塾経営、日本英語検定協会顧問、大学非常勤講師、東京書籍顧問、IELTS公式テストセンター顧問を歴任。英語に関する各種研究会の企画運営を通して英語教育界に広く知己を得る。米国、イギリス、フィンランド、シンガポール、中国、韓国などでの学会や研究会への参加を重ねる。